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2012/05/16 ソニー・パナソニック、有機ELテレビ提携交渉

今日は、昨日の日経朝刊1面、今日の日経朝刊11面でも取り上げられているソニーとパナソニックの有機EL提携交渉の話題からです。

 

<2012年5月16日 日経朝刊11面 記事要約>


・ソニーとパナソニックが有機EL(エレクトロ・ルミネックス)テレビ事業で提携交渉入りした。シャープは3月に台湾ホンハイグループの資本業務提携を発表している。

・ソニーとパナソニックは両社のもつ技術を持ち寄ることで大型パネルの早期生産に向けて協力し、年内の有機ELテレビを発表するサムスンなどに対抗する狙い。

・ブラウン管で首位だったソニーは液晶パネルに出遅れ、2005年にサムスンとパネルの合弁生産を開始。しかし、提携相手のサムスンが液晶テレビを席巻。ソニーは一度もテレビ事業で黒字を出せないまま、今年1月に合弁を解消した。

・今度は積年のライバルであったパナソニックと有機ELテレビで手を組み、「打倒サムスン」を目指す構図。

・ソニーは、台湾の友達光電とも有機ELテレビの量産に向けた技術開発を進めており、コストが安い台湾を拠点にソニーとパナソニックが生産面でで手を組む可能性がある。


<記事の要約はここまで>

 

以前のBizBlogでも取り上げているとおり、経営成績の厳しいソニーとパナソニック。

パナソニックは、決算発表の場でも新規のテレビ事業投資をすべて自前でやることはないと公言していましたが、その背景にはソニーとの提携交渉があったようですね。

 

2012/05/14 パナソニック 復活へ背水

2012/04/12 ソニー 2015年3月期 営業利益率5%狙う

◆テレビ大手3社の2012年3月期の決算状況

日経の記事にもあったように、2012年3月期のパナソニック・ソニー・シャープ3社の最終損益の合計は赤字1兆6000億円。 

2012年3月期の直近3社の業績を並べてみましょう。

 

パナソニック ソニー シャープ
証券番号 6752 9202 9204
会計基準  SEC  SEC 日本基準 

売上高(百万円)

7,846,216(△9.7%)

6,493,212(△9.6%)

 

営業利益(百万円)

43,725(△85.7%)

△67,275(ー%)

15,283

当期純利益(百万円)

△772,172(ー%)

△456,660(ー%)

7,705

営業利益率(%) 0.55 19.04
2013年3月期 売上高予想 8,100,000(3.2%) 7,400,000(14.0%) 2,700,000(9.9%)
2013年3月期 営業利益予想 260,000(494.6%) 180,000(−%) △30,000

※24年3月期決算短信情報。

 

2013年3月期の業績は回復する見通しとなっていますが、業績が相当厳しいことがわかります。

技術が高度化していく中で、電機業界だけでなく、自前だけでの投資はナカナカ厳しいところがあります。

例えば、自動車業界でもトヨタとBMWの業務提携交渉など、自前の技術開発には限界が出てきていることがわかります。

 

2011/11/28 トヨタ、BMWと環境分野で提携交渉 ディーゼル車戦略

◆ソニーの業績関係

ソニーの2011年3月期のセグメント状況をみると、以下のとおりです。

【リソース】2012年5月10日ソニー公表 『2011年度 連結業績概要』p4

 

以前のBizBlogでも解説しているとおり、金融・映画・音楽のソフト分野といった本業以外が黒字です。

 

(再掲)■ 2012/04/12 ソニー 2015年3月期 営業利益率5%狙う

 

2013年3月期の業績見通しは次のとおりです。

 

【リソース】2012年5月10日ソニー公表 『2011年度 連結業績概要』p10

 

パナソニックと同様、黒字回復する見込みとなっています。

売上が大幅に増加するのは、ソニーエリクソンの完全子会社化による連結適用による売上増加が要因のようです。

 

パナソニックの業績等については、先日のBizBlogをご覧ください。

 

(再掲)■ 2012/05/14 パナソニック 復活へ背水

◆家電量販店の対応

少し話が変わりますが、パナソニックとソニーの記事の同じ面に、家電量販店の記事も載っていたので、その話題にも触れておきましょう。

先日のBizBlogでも触れているように、コジマがビックカメラに買収されました。

 

2012/05/11 ビック、コジマを買収 家電量販2位に

 

テレビ事業そのものが縮小している中で、メーカー側の再編が余儀なくされ、川下の小売業界も事業縮小・再編は免れないと思われます。

外国勢の安値競争が激化するだけでなく、価格交渉力を持った量販店側からの安値圧力もメーカーの経営を苦しめてきたのは間違いありません。

そうした中で、メーカー側も量販店を選別する動きが出てくるのは当然でしょう。

 

メーカー側の事情だけでなく、量販店側の事情においてもアマゾンをはじめとするECサイトとの競争が激化してきています。

筆者を含め、ネット通販に抵抗のない若い世代が30代、40代と主力購買層になってくる中で、対面販売することの意義を再定義しないと生き残りは図れないでしょう。

家電量販店もECサイトを持っていますが、使い勝手はそれほど良いとは言えませんね。

店舗購入を考える場合には、すぐにヤマダやビックを思い浮かべる人も、ECサイトで購入する場合には、まずは価格.comといったポータルサイトに言ってから、そこで実際の購入先(つまり購入サイト)へ訪れるという流れなのではないでしょうか。

 

 

テレビ、半導体、携帯電話と日本のお家芸ともいえた産業が韓国勢に追いつき・追い越されている現状で、各社ともにますます厳しい経営のかじ取りが求められていきそうです。

通貨危機を経て、サムスン、LG、現代自動車を代表とする独占・寡占が許容された韓国企業は、自前投資の垂直統合を強化していっています。

一方、国内でも優良企業が群雄割拠の日本・米国企業はどのように戦っていくのか。

米国企業はファブレス・ファブライト化を明確に打ち出し、ホンハイを代表とするEMS企業と組み競争に打ち勝とうとしています。

日本企業は、提携や合併・再編を通じて、米国企業・台湾企業とも協力しつつ、生き残りを図っています。

日米台連合VS韓国勢という構図は当分変わらなそうですね。

 

川上のメーカーも、川下の小売業種も、今後の生き残りをかけて、産業構造の変化に敏感に対応していく必要がありそうですね。

以 上

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