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2012/04/12 ソニー 2015年3月期 営業利益率5%狙う

連日ソニーの経営不振のニュースが報道されているので今日はその話題について取り上げます。

まずは、日本経済新聞で報道されている内容を以下俯瞰してみます。

 

【記事要約】


・ソニーは、2012年3月期に過去最大となる5200億円の連結最終赤字になると発表。4期連続の最終赤字。デジタル家電の変革スピードについていけず、主力の薄型テレビ事業は8期連続の営業赤字。

・最終赤字(米国会計基準ベース)は2月時点の予想(2200億円)から3000億円悪化。主因は米国事業での繰延税金資産の取崩し。テレビ事業を中心に米国事業の収益が悪化。税金負担軽減の前提となる将来の利益見通しが厳しくなり取り崩しを迫られた。ソニーはその前の期も国内事業で3600億円を取り崩しており、エレクトロニクス事業の収益環境が世界規模で想定よりも悪化したことを示す。

・また、2012年度に従業員を約1万人削減する。グループ全体の約6%に相当。化学事業や中小型液晶事業の再編などに伴う5000人程度の人員削減に加え、国内外で約5000人削減する見込み。

・いち早く13年3月期について約1800億円の営業黒字を見込むと発表し、最終損益も「赤字解消を図る」とした。

 (日本経済新聞4月9日夕刊、4月11日朝刊) 


 

ソニーの経営不振は深刻のようです。特に、テレビ事業を中心とするソニーの看板事業であるエレクトロニクス事業の悪化に歯止めがかかっていません。

不振から脱却すべく最近は以下のような事業再編の動きがありますが、効果は不透明です。

 

2011年8月:中小型液晶パネル事業を東芝、日立製作所を統合することで合意(2012年4月にジャパンディスプレイ発足)

2011年10月:ソニー・エリクソンの完全子会社化を発表(2012年2月に完全子会社化)

2011年12月:韓国サムスン電子との液晶合弁解消を発表

2012年3月:化学事業を日本政策投資銀行に譲渡することで基本合意

(4月11日日経朝刊などより) 

 

ちなみに、ジャパンディスプレイの記事は先日取り上げましたね。 

2012/04/02 東芝・日立・ソニー統合会社 液晶、製品別に最適生産

 

そして、2012年4月には、平井一夫氏が社長兼CEOに就任し新経営体制が発足しました。

それでは、2012年3月期の年度決算情報はまだ出ていませんので、第3Qまでの業績を見てみます。

 

<財務情報ハイライト> 

■ ソニー_年度財務情報(米国基準).pdf(当社財務データベースより)

■ ソニー_四半期財務情報(米国基準).pdf(当社財務データベースより)

 

<四半期セグメント別売上高・営業損益推移> 

2012年3月期の第2Qまでの業績については過去のビズブロ(以下参照)でも検証しているため、詳細は割愛しますが、第3Qでは、韓国サムスン電子との液晶合弁会社のS-LCDやソニーエリクソンの持分法損益の悪化の影響が大きく、大幅な営業損失を計上しています。

 

2011/11/10 ソニー 復活なるか!?

 

 

ちなみに今日は、ソニーの経営方針の発表がありましたね。

 

当該発表によるとエレクトロニクス事業を再生、そして成長へと転換し、新たな価値創造の実現をめざし、以下の変革のためのエレクトロニクス重点施策を推進するとのことです。

 

1. コア事業の強化(デジタルイメージング・ゲーム・モバイル)

2. テレビ事業の再建

3. 新興国での事業の拡大

4. 新規事業の創出/イノベーションの加速

5. 事業ポートフォリオの見直し/経営のさらなる健全化  

 

上記の重点施策を着実に実施することで、2014年度にエレクトロニクス事業では売上高6兆円、営業利益率5%、ソニーグループ全体では売上高8兆5,000億円営業利益率5%以上ROE(株主資本利益率)10%をめざすと発表しています。 

 

詳細はソニーのプレスリリースをご覧ください。

 

■ プレスリリース:http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201204/12-056/

 

ただし、今日の日経では「ソニー、見える稼ぎ頭」(15面)で

・ソニーはそもそも将来の稼ぎ頭何なのか、という根本的な疑問も市場では根強い。儲かる分野にどう経営資源を集約していくのか見えない

・営業損益をみると、ソニーで黒字なのは金融、音楽、映画と本業である電機以外の事業である

・パナソニックはデジタル家電を中心に環境事業に経営資源を集中する方針。液晶事業が年間では大幅な赤字になるシャープは、台湾の鴻海(ホンハイ)と資本提携をテコに収益改善を図るなど、戦略が明確である

と厳しい指摘をしています。 

 

本日の経営方針発表ではコア事業として、従来から得意とするデジタルカメラなどのデジタルイメージング事業とプレイステーションなどのゲーム事業のほか、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル事業をあげています。

 

モバイル事業といえば、2強のアップルとサムソン電子が世界市場で既に大きなシェアを確保しています。

これから後発組としてどれだけ挽回できるのか、、、、相当な困難が予測されます。

 

前回のブログの繰り返しになりますが、ソニーの強みは、「ハード」ではなく「ソフト」

音楽、映画、ゲームといったコンテンツをもった電気機器メーカーは世界を見渡してもソニーくらいです。

近年のソニーの敗因は、”コンテンツ"の強みを発揮できなかったことに他ならないと思います。要するに本来は”情報産業”の分野で勝負すべきところ”工業”の分野で勝負してしまった点です。

そう考えるとソニーのソフトの力をうまく発揮できればモバイル事業でも戦えるかもしれません。

 

平井CEOの新体制のもと今度こそ起死回生に期待したいと思います。

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