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2013/05/29 LINEの親会社NHN アジアのネット業界の席巻狙う

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今日は、日経の特集記事「アジアNEXT」の韓国のITベンチャー企業のNHNの記事からです。

 

【記事要約】


・韓国でシェア7割の検索サイト最大手「ネイバー」を運営するNHN。創業者の『李海珍(イ・ヘジン、45歳)』取締役会議長が同サイトを開設してから14年。無料電話・チャットアプリのLINE(東京・渋谷)も傘下に抱え、豊富なアイデアとスピード経営でアジアのネット業界の席巻を狙う。

・韓国では李氏を「アイデアバンク」と呼ぶ。韓国最高の頭脳が集まる理工系大学院、韓国科学技術院出身。サムスンSDSを経て1999年に独立しネイバーを立ち上げた。 

同サイトの人気サービスの大半が李氏の発案という。LINEについても東日本大震災時に通信網の混乱で連絡が取れない被災者の映像を見て日本法人に開発を提案。ニーズを見つけ素早く事業化に移す瞬発力も強み。 

・李氏はマスコミにほとんど登場せずカリスマ性が際立つ。社内にも「現状に甘んじるな」と警鐘を鳴らし社員を鼓舞する。ただ強圧的ではなく周囲の話をよく聞くというのが社内評だ。仕事に行き詰まった社員には積極的に助言もする。

ネイバーは『検索・ディスプレー広告』『オンラインゲームの「ハンゲーム」』『LINE』の3つが収益の3本柱だ。今年に入りハンゲームを分社化、日本のLINEもNHNジャパンから切り離す構造改革を決めた。パソコンからモバイルへの移行をにらみ、事業の機動力を高めて世界でビジネスを広げる狙い。 

(2013年5月24日付け日本経済新聞朝刊11面「アジアNEXT」より)


 

韓国のNHNという会社を知らない人も多いかもしれませんが、無料通話・メールアプリの『LINE』を運営する親会社といえばピンとくる方も多いと思います。

また、ライブドアを買収した会社(正確には現地法人のNHN Japanが引き継いでいる)と言えばわかる方もいるかもしれません。

 

ヒットアプリであるLINEを企画・開発する会社は、渋谷にある「LINE株式会社」ですが、この「LINE株式会社」はNHN(韓)の子会社にあたります。LINE株式会社は、もともとは、NHNが2000年9月に日本でオンラインゲームの「ハンゲーム」などを展開するために設立した日本の現地法人「NHN Japan」がスタートです。NHN(韓)創業者で、NHN JAPANの会長でもある李海珍(イ・ヘジン)が、家族や親戚と連絡を取ろうとする東日本大震災の被災者の映像を見て発案し、日本の現地法人「NHN Japan」にて企画・開発されました(ウィキペディアより)。

LINEのヒットにより、今年の4月に「NHN Japan」のゲーム事業とLINE事業を会社分割により分離して、LINE事業は、LINE株式会社が、ゲーム事業は「NHN Japan」が展開しています。

このヒットアプリのLINEですが、世界ユーザーは2013年4月末時点で1億5千万を突破しています。しかも、サービス公開から約23ヶ月でこのユーザー数ですから、勢いだけで見ればフェイスブックを超えるものがあります。

 

特にLINEはこれまではアジアを中心に成長していましたが、今年4月にはスペインが、ヨーロッパ圏で初めて1,000万ユーザーを突破し、またスペインでの成長を契機に、同じスペイン語圏である南米地域でもユーザーが拡大し、その勢いは止まりません。さらに次はアフリカ等の新規市場にも本格的に参入しようとしています。

2月には、フィンランドのNokiaと戦略的提携を結び、Nokiaの低価格スマートフォンシリーズ「Asha(アシャ)」 向けにLINEを提供し、グローバル展開に力を入れているようです。

 
(プレスリリース:http://linecorp.com/press/2013/0501551 より)
 
最近ではフェイスブックとも比較されています。ユーザー数1億人を突破した際は、フェイスブックをスピードを超える勢いで話題にもなりましたね。 ( http://lineblog.naver.jp/archives/22378567.html より)
 
ちなみに、フェイスブックがどれくらいのユーザー数を抱えるかというと、下記のとおり、月間アクティブユーザーで『10億人超』のユーザーをかかえています。(LINEの場合は、登録ユーザー数ですから一概に比較できませんが)
世界の人口が、70億人とも言われていますから、単純計算でも世界で7人に1人が、フェイスブックを利用している計算になります。
(Facebook Annual Report 2012より)
 
今後、アジア発のグローバルSNSツールが、グローバル市場でフェイスブックを脅かす存在になれるかか注目ですね。

最後に、そんなLINEを傘下にかかえる韓国のITベンチャー企業のNHNの財務情報に触れてみたいと思います。

 

いつもとおりの、海外企業のステータス表は下記のとおりとなります。

 

NHN(韓)

直近期(通期) 2012.12
適用会計基準 K-IFRS

Revenue/売上高

2,389,324 million ウォン

215,039 百万円

Operating income/営業利益

702,199 million ウォン

63,197 百万円

売上高営業利益率

29.38%

Net income/当期利益 ※

544,429 million ウォン

48,998 百万円

Comprehensive income/包括利益 ※

 452,307 million ウォン

(40,707 百万円

Total assets/資産総額

2,927,317 million ウォン

(263,458 百万円)

Stockholders' equity/株主資本 ※

1,903,568 million ウォン

(171,321 百万円)

Equity Ratio/自己資本比率 ※

65.02%

ROE/株主資本利益率 ※

28.60%

Cash flows from operating activities

/営業活動によるキャッシュフロー

595,501 million ウォン

(53,595 百万円)

Cash flows from investing activities

/投資活動によるキャッシュフロー

△689,985 million ウォン

(△62,098 百万円

Cash flows from financing activities

/財務活動によるキャッシュフロー

23,941 million ウォン

(2,154 百万円)

Cash and cash equivalents

/現金・現金同等物

395,435 million ウォン

(35,589 百万円)

※ 日本円ベースは0.09円/ウォンで簡便的に換算している。日本円換算数値はあくまで参考値。

※ 当期利益、包括利益、株主資本は支配株主帰属分

※ 自己資本比率、株主資本利益率は期末残高ベースで簡便的に算出している。

 

本国の韓国での主力のビジネスが検索サイトなどの広告ですから、イメージでいうと日本の「Yahoo Japan」に近いものがあるかもしれません。

ヤフージャパンの直近平成25年3月期の売上高が”3,429億円”、”営業利益が1,863億円”ですから、規模的にも近いものがありますね。

業績の10年推移とセグメント状況は以下のとおりです。

 

1999年設立ですから韓国IT産業の草分け的存在と思われます(ヤフージャパンの設立が1996年)。

ここ数年で急成長していますが、その収益源泉はまだまだ本国の韓国が大きなシェアを占めています。日本では、LINEやライブドア、NAVARまとめなどの関連事業が貢献しているのでしょうか。

韓国のグローバルレベルのIT企業を言えば、サムスン電子を筆頭にITの”ハード”のイメージが強いですが、こうした”ソフト分野”でのグローバ企業の芽も出てきたといえます。

ディーエヌエーやグリー、最近ではパズドラのガンホーなどソフト会社も、国内市場での勢いは話題になりますが、グローバル市場での勢いの話題も聞きたいですね。

NHNがLINEを武器に今後グローバルIT企業に成長できるのか、フェイスブックの地位を脅かす存在になれるのか今後の展開に注目ですね。

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