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2012/08/10 大日本印刷、日本ユニシス筆頭株主に コンテンツ配信で成長

今日は、本日日経朝刊11面の大日本印刷の記事からです。

 

【記事要約】


大日本印刷は9日、三井物産から日本ユニシス株を取得すると正式発表した。三井物産が保有するユニシス株27.8%(発行済株式数に対する割合)のうち、18.9%(発行済株式数に対する割合)を約144億円で取得する。大日本が三井物産から代わって19%弱を保有する筆頭株主となり、ユニシスは大日本の持分法適用会社となる

・大日本印刷は印刷を軸に事業領域を広げてきた。エレクトロニクス事業では液晶パネル部材のカラーフィルター、半導体用のフォトマスクはともに印刷技術を使いガラス基板を加工している本業の書籍やチラシの印刷も早くから電子化、この結果、現在では電子書籍や電子カタログの企画制作なども手掛ける。そのほか電子帳票、企業の商品データ、営業日報など様々な電子データを預かり、保有するようになった。これらのデータをインターネット経由で顧客企業が利用できるシステムは販売しているが、さらに事業を拡大するために大日本印刷はクラウド方式で顧客が安くデータやコンテンツを利用できる仕組みを構築する考え

日本ユニシスは国内IT企業の中でもいち早くクラウド事業に取り組み、豊富なノウハウを持つ

・大日本がコンテンツ配信などIT事業を強化するのは、これまで利益を牽引してきたエレクトロニクス事業の不振がある。一方、商業印刷など情報コミュニケーション事業は企業の広告宣伝活動の回復やICカードの拡大で営業利益が前期比で増加、ユニシスと提携で同事業のさらなる拡大につなげ。また、ユニシスとの提携でクラウドを活用したコンテンツ配信事業を強化、新たな成長の柱に育成する。


 

ペーパレス化や企業の広告費削減の流れの中、液晶テレビに使用する液晶フィルターや半導体のフォトマスクなどのエレクトロニクス部材に収益源を求めてきた印刷大手ですが、世界的な薄型テレの低迷およびそれに伴う液晶パネルも価格の下落の波が部材にも押し寄せ、エレクトロニクス事業の採算が急速に悪化していました。

そんな中、大手の一角である凸版印刷は、海外展開や電子データの保管・配信などを扱うデータセンター事業などの新たな成長分野の育成へシフトする動きについて過去のビズブロで取り上げましたね。

 

2012/01/25 凸版印刷、海外売上高3割に 

2012/06/19 凸版、100億円でデータ拠点、カタログの電子化・配信を受託

 

このとき凸版印刷は、電子データ関連ではデータセンターを新設するという戦略をとりましたが、大日本印刷は、クラウドサービスなどに強いIT企業の株式を直接購入し、関連会社におさめるという戦略をとってきました。

 

なお、印刷大手および日本ユニシスの財務データベースは以下のとおりですのでこちらも参考にしてください。

 

大日本印刷_財務DB(通期).pdf

凸版印刷_財務DB(通期).pdf

日本ユニシス_財務DB(通期).pdf 

 

また、今回傘下におさめて日本ユニシスですが過去3期の収益情報を見るとここ数年、業績は低迷しています。日本ユニシスにとっても大日本印刷とのシナジーを期待していることでしょう。 

 

<売上高構成比>

 (日本ユニシスHPより抜粋)

 

ちなみに、もう1つの成長戦略ある海外展開はどうでしょうか。 

大日本印刷と凸版印刷の海外売上高比率を2011年3月期と2012年3月期を比較すると下記のとおりとなります。

 

<海外売上高比率の2期間比較>

大日本印刷: 12.43%(11年3月期) ⇒ 12.75%(12年3月期)

凸版印刷 : 13.85%(11年3月期) ⇒ 14.15%(12年3月期)

 

まだまだ海外展開の方は思うように進んでいない様子です。

最後に、大日本印刷の収益構造の変化について、10年間の収益情報をグラフ化して確認してみます。

 

 

売上成長率が鈍化するなか、2006年頃まで、エレクトロニクス事業が、大日本印刷の営業利益の3分の1を稼ぎ出していました。しかし、リーマンショックなど世界的信用不安があった2008年を境に、エレクトロニクス事業は低迷。2012年3月期にはとうとうセグメント赤字に転落しています。

 

スマートフォンやタブレット端末が普及し、またそれにともない電子書籍など電子データの配信が増加する中、印刷大手が、印刷事業で培ったノウハウをもとにIT事業、データセンター事業をどこまで育成できるのか、、、、注目ですね。

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