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2012/07/02 スマホ用ゲーム、南米で開花 カプコンなど進出

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今日は、6月30日の日経朝刊の記事からです。

 

【記事要約】


・スマートフォンの普及を受け、南米でゲーム市場が開花しつつある

・これまではゲーム機への関税などの影響でゲーム機自体が普及せず市場の低迷が続いてきたブラジルやアルゼンチンでは海外から輸入する家庭用ゲーム機に20%前後の関税を課す。工業製品税や商品流通税といった税も課されるため、例えばプレーステーション3は日本の2~3倍の価格で販売されている。ソフトの違法コピーも横行し、日本のゲーム会社が進出をためらう要因になってきた。

・スマホという新たな万人向けの「ゲーム機」の登場でゲームを楽しむ人が増加。カプコンやグリーなど日本のゲーム大手が相次ぎ進出し、未開の成長市場の取り込みを狙う。

・スマホの急速な普及で、ハード不足の問題が解消。南米主要7カ国のスマホ出荷台数は2011年に1億3200万台と2008年から7割増え、世界全体の3割弱を占めた。ゲーム機の世界出荷台数は年間2800万台程度で、これを大きく上回る数のハードが南米の消費者の手元にある。スマホに配信するゲームなら、違法コピーの不安もない。

・南米は欧米のゲーム市場と比べ競合が少なく、欧米のゲーム市場と比べ競合が少ない。

交流サイト(SNS)が他の地域より普及しているといった特徴もある。

日本勢はSNSと親和性の高いソーシャルゲームを得意としており、いち早く市場に参加して顧客の掘り起こしを進める考え。

カプコンは13年度にもブラジルに現地法人を設立する方針を決め、それに先立ち同国やアルゼンチンなどで、子会社が開発した交流ゲームの配信を始めた。ブラジルを南米の中核拠点の位置づけ、現在4割程度の海外売上高比率を早期に5割以上に引き上げる。

グリーは今年2月に設立したブラジル現地法人を軸に市場を開拓する。言語対応を順次進めて南米ユーザーの獲得を急ぐ。日本で培ったノウハウも生かす。

ディーエヌエーは昨年10月にチリのゲーム開発会社を買収し、近くスマホ向け交流ゲームの配信を始める。

セガも検討中、スクウェアエニックスも米国の関連会社を通じ本格参入する方針。


 

ゲーム業界では、ソーシャルゲーム大手のグリーやDeNAが注目あびていますが、スマートフォンの普及により、それ以外のゲーム機ソフトをメインとするゲーム会社にも大きなチャンスがでてきているようです。

任天堂やソニーなどのゲーム機ソフト大手のカプコン、スクウェアエニックスHDとソーシャルゲーム大手のグリーとディーエヌエーの業績を比較してみます。

 

カプコン 

スクウェアエニックス

グリー

ディーエヌエー 
証券番号 9697 9684 3632 2432
直近期 2012年3月期 2012年3月期 2012年6月期(予想) 2012年3月期

直近売上高(百万円)

82,065

127,896

160,000~170,000

145,729

直近営業利益(百万円)

12,318

10,713

80,000~90,000

63,415

直近営業利益率(%) 15.01 8.37 50~52 43.51
直近経常利益(百万円)

11,819

10,297

80,000~90,000

62,660

直近当期純利益(百万円)

6,723

6,060

44,000~50,000

34,485

直近海外売上高比率(%)

日本:68.61%

北米:21.12%

欧州:6.85%

その他:3.40%

日本:79.50%

北米:8.29%

欧州:10.30%

アジア:1.88%

海外売上高なし

(23年6月期)

海外売上高は

10%以下

 

モンスターハンターやバイオハザードのカプコン、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのスクウェアエニックスを抑えて、売上高規模、利益率でもソーシャルゲーム大手が上回っています。

ただし、海外進出という意味では、最近はグリーやディーエヌエーが海外企業の買収に乗り出していますが、まだまだゲーム機ソフト会社の方がリードしているようです。

カプコンの海外売上状況をみてみます。

 

まだまだ、海外売上では北米や欧州などの先進国が中心です。ニンテンドーDSやWii、プレイステーションなどハードのゲーム機が北米や欧州中心のため、それによる影響が大きいと思われます。

ただし、5年間の売上高成長率では、先進国以外のその他の地域が圧倒的に大きいことがわかります。

ソーシャルゲーム以外のゲームソフト会社にとっては、スマートフォンの爆発的普及はゲーム機のハード不足の解消という大きなビジネス構造の転換になります。

 

ゲーム機ソフト会社が、スマートフォン市場の成長を取り込めるかどうか注目ですね。

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