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2012/04/18 セコム 中国で老人ホーム

今日は、日本経済新聞朝刊14面のセコムの記事からです。

 

【記事要約】


セコムは中国で高級老人ホームの運営事業を始める。現地不動産開発大手と合弁会社を設立し、2015年を目途に上海に第1弾の施設を開業する。グループの医療・介護事業会社、セコム医療システムが合弁会社に7割以上を出資する方向で調整中。

・セコムグループが都内で展開する高級老人ホームや国内の提携医療病院のノウハウをもとに質の高いサービスを提供。介護担当者のほか、常駐医師を置いたり、入居者に高齢者用のリハビリテーションメニューを提供したいりする。高齢者が操作しやすい防犯システムも導入する。

高齢化の「先進国」である日本の企業にとって中国は大きな商機になる。中国では、1980年から始めた一人っ子政策の影響で、高齢化が急速に進んでいるため。2010年の65歳以上の人口は1億1894万人と、全人口の8.9%を占める都市部ではさらに深刻。上海市内の2011年末時点の60歳以上の人口比率は24.5%と全国平均13.7%を大きく上回る。また、経済成長に伴い、富裕層の高齢者が急増する見通し

・こうした状況を踏まえ、セコム以外の日本企業も中国の介護関連市場の開拓に力を入れ始めた。介護最大手のニチイ学館は、2月車いすなどの介護用具を販売する子会社を上海に設立。NECは北京市にある高齢者介護施設の携帯端末を含めた管理システムを受注。


 

ホームセキュリティなど警備事業のイメージのセコムですが、実はかなり多角化しています。その多角化事業の一つが、在宅医療サービスを中心としたメディカルサービス事業です。

まだまだセキュリティサービス事業と比較してメディカルサービス事業は小さいですが、日本で培ったメディカルサービスのノウハウをテコに、今後高齢化の進むことが確実な人口大国の中国に商機を見出すという興味深い記事でした。

しかし、中国では65歳以上の人口が日本の人口に匹敵するとなると、高齢化先進国の日本で高齢者ビジネスのノウハウを培った企業にとってはまさにドル箱に見えるでしょうね。

セコムというとセキュリティ事業が中核ですので、まずは簡単にセキュリティ会社大手3社のステータスを見てみます。

 

セコム 綜合警備保障 セントラル警備保障
証券番号 9735 2331 9740

予想売上高(百万円)※

673,900

301,800

39,943

予想営業利益(百万円)※

100,000

9,900

871

予想経常利益(百万円)※

103,000

11,200

1,063

予想当期純利益(百万円)※

57,300

5,300

478

予想営業利益率(%) 14.83 3.28 2.18

直近海外売上高率(%)

3.83 10%未満のため開示なし 本邦以外に売上高なし
年度個社財務情報(当社DB)

セコム_年度.pdf

総合警備保障_年度.pdf

セントラル警備保障_年度.pdf 

年度比較財務情報(当社DB)

セキュリティ大手3社比較_年度.pdf

四半期個社財務情報(当社DB)

 セコム_四半期.pdf

総合警備保障_四半期.pdf 

 セントラル警備保障_四半期.pdf

四半期比較財務情報(当社DB)

セキュリティ大手3社_四半期.pdf 

※セントラル警備保障は、2月決算のため24年2月期決算短信情報

 

セコムが規模や利益率ともにダンドツですね。業績も財務状況も安定しています。

また、後でも触れますが綜合警備保障やセントラル警備保障の2社は、ほぼセキュリティサービス事業の専業会社ですが、セコムは多角化しているという特徴があります。

最後にセコムのセグメント別の業績推移を見てみます。

 

セキュリティサービス事業以外にも保険やメディカルサービスなど実に多様なビジネスを展開していますね。

ただし、こうしてグラフ化してみると中核のセキュリティ事業は頭打ちだということもわかります。多角化は中核のセキュリティ事業の頭打ちの裏返しなのかもしれません。

 

ただし、近年メディカルサービス事業の利益も増加していますが、まだまだ利益の大半はセキュリティサービス事業で稼いでいます。今後の育成が楽しみです。

 

【セグメント内容】

「セキュリティサービス事業」は、事業所向けおよび家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、お客様が安全で安心できる総合的なセキュリティサービスを提供。

「防災事業」は、オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅などの施設に自動火災報知設備や消火設備などの各種防災システムを提供。

「メディカルサービス事業」は、訪問看護サービスや薬剤提供サービスなどの在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテ、医療機器等の販売などの各種メディカルサービスを提供。

「保険事業」は、セキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した商品や、最適な治療でガン克服を目指す商品などの当社ならではの保険商品の開発・販売。

「地理情報サービス事業」は、国および地方自治体向け地理空間情報サービス、諸外国政府機関への空間情報サービスなどを提供。

「不動産開発・販売事業」は、防犯・防災を重視したマンションの開発・販売。

 

 

BizBlogでも再三述べていますが、最近、伝統的に内需産業と言われていた業種での海外進出の動きが活発ですね。

 

高齢化社会と聞くと、ネガティブな話題が多いですが、日本は高齢者ビジネスにおいて先進国である点を忘れてはいけません。

しかも、中国をはじめ世界各国で今後、高齢化社会を迎える国が次々を誕生していくでしょう。

そのとき、高齢化先進国で培ったノウハウを世界に輸出できるチャンスがくるかもしれませんね。

 

海外に行くといつも日本はサービスレベルというのは実にレベルの高いものだと感じます。そのため、品質に厳しい日本の消費者に認められたサービスは、海外でも通用する可能性は高いと筆者は思っています。 

日本で輸出というと製造業のイメージがありますが、介護サービスも含め今後日本のサービスが世界を席巻できる日がくるのではと思う筆者です。

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