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2013/03/06 シャープにサムスン電子出資

今日は、本日の日経朝刊1面のシャープの記事からです。

 

【記事要約】


シャープは韓国サムスン電子の出資を受け入れることで合意した。シャープが月内に実施する第三者割当増資をサムスンが引き受け、約100億円を出資する。出資比率は約3%となる見通し。

・シャープは2012年3月、EMSで世界最大手の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から9.9%の出資を受けることで合意。しかし鴻海との交渉は暗礁に乗り上げたまま、出資期限が今月26日に迫っていた。鴻海はシャープ本体への出資を見送る可能性が高まっている

・シャープはサムスンとの資本提携で信用を補完し、経営再建を一歩前進させる。

・シャープは主力の亀山工場などで生産する薄型テレビ用の32インチパネルの一部をサムスンに供給してきた。サムスンからの出資受け入れで財務を改善するとともに、テレビやスマホ向け液晶パネルの供給を拡大する。米アップルがiPhone5用パネルの生産量を当初計画より減らしたこともあり、亀山工場の稼働率は5割以下に低迷この状況が続けば減損処理など業績への悪影響も懸念されるサムスン向けのパネル供給を拡大することで、工場稼働率を改善し連結売上高の3割を占める液晶パネル事業の営業黒字化を急ぐ

・一方、サムスンは価格下落が続く液晶パネルを、工場建設などの新規投資を抑えつつ、シャープから安定調達できる。

・シャープは液晶や太陽電池などの苦戦で、13年3月期の連結最終損益が4500億円の赤字見通し、2期連続で巨額赤字を計上自己資本比率は昨年12月末時点で9.6%まで落ち込んでおり、資本増強が急務になっていた。

・シャープは12年12月、米半導体大手のクアルコムから最大100億円の出資を受けてタブレットなどに使う次世代ディスプレーを共同開発することで合意した。サムスンとの提携を機に業績改善が進めば、公募増資なども含めた資本増強が実現しやすくなる。

・今回の提携は、長年のライバル関係を超えるもので、新たな再編の呼び水となる可能性もある。

・アップルの最大のライバルであるサムスンとの協業は背水の陣とも言えるが、アップルビジネスへの悪影響はないのか危険な賭けでもある。シャープは亀山第1工場でアップルのiPhone向けの中小型パネルを生産、事実上のアップル専用工場だ。世界最大のガラス基板を使った大型パネルを生産する堺工場は、鴻海との共同出資会社に切り替えた。昨年3月に、鴻海とシャープ本体に9.9%出資することで合意したのは、資本増強とともに携帯電話や白物家電などでも協業することが狙いだったが、昨春以降のシャープの株価下落をきっかけに、取得価格の見直しなどをめぐり思惑の違いが表面化、鴻海との資本提携交渉は膠着状態に陥った。さらに足元ではアップルのiPhone5が伸び悩み、亀山第1の稼働率が低迷している

・サムスンのスマホの世界シェアは昨年10〜12月期で29%と、アップル(21%)を上回る、薄型テレビでもサムスンの世界シェアは28%で世界最大手。サムスンと組めば、シャープの業績は改善が期待できるが、アップルとの取引に悪影響が出る懸念もある。アップルが製品情報の流出などを警戒すれば、取引の拡大は望めない。

・シャープ再建は「スマホ2強」との協業は成り立つのかどうかにかかっている。

(2013年3月6日付の日本経済新聞朝刊1面より)


 

シャープがライバルのサムスン電子から出資を受けるという驚きのニュースでした。

 

本日プレスリリースでも出ています。

 

<プレスリリース>

http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2013/130306-1.pdf

 

ホンハイからの出資で、起死回生を図ろうとしていたシャープですが、出資交渉は難航していました。

一方、業績の落ち込みは止まらず、財務状況はさらに悪化。直近四半期である2012年12月末には、自己資本比率が9.6%までに落ち込んでいました。 

 

そこへ、iPhone5生産量低下で、主力工場である亀山工場の稼働率も低下の追い打ちがきました。待ったなしの決断だったと思われます。

 

シャープ危機については、ビズブロでも過去取り上げていますので、そちらも参考について下さい。

 

2012/08/07 鴻海(ホンハイ)、シャープへ出資、見直し

2012/03/28 シャープ EMS世界最大手 鴻海(ホンハイ)と資本業務提携

まずは、2012年3月期の実績値および2013年3月期見込値、2013年3月期の四半期実績値をもとに更新した業績推移グラフを見てみましょう。

 

地上デジタル放送やエコポイント、世界的な薄型テレビの普及により、2008年まで液晶パネルに強いシャープの業績はウナギ登りでした。

しかし、急速なデジタル商品のコモディティ化と市場価格の下落、エコポイント後の国内市場の急速な縮小、韓国勢の台頭を契機に、液晶パネルの1本打法のシャープは、過去の設備投資が重荷となり業績が急降下します。

 

※ 上記2013年情報は業績予測数値

 

 ※ 上記2013年情報は業績予測数値

 

 ※ 上記2013年情報は第3Qまでの累積数値

 

 ※ 上記2013年情報は第3Qまでの累積数値

実際、シャープの設備投資状況を有価証券報告書の数値をもとに整理してみました。

 

設備投資全体(建物、機械装置、土地等)および機械装置の大半を亀山工場堺市にある子会社の潟Vャープディスプレイプロダクトが占めていることがわかります。世界の亀山モデルで一躍有名になった亀山工場の設備投資額は、事業構造改革により、整理されているようですが、まだまだシャープの投資額(帳簿残高)は、直近2012年3月で約1,812億円(うち機械装置等は約767億円)にものぼります。

 

主要工場の状況を日経記事などを参考に整理すると以下のような感じでしょうか。

 

<堺工場(堺市にある潟fィスプレイプロダクト)>

世界最大のガラス基板を使ったテレビ用パネルを生産で、サムスンの大型テレビ向けが中心。

こちらはホンハイから37.6%の出資を仰ぎ、供給の安定に目途がついたか...

 

<亀山工場>

第1工場は、アップルが設備投資の半分を負担。iPhone向け。iPhone5の生産減少で稼働率が低下。

第2工場は、サムスンのテレビ・タブレット向けなど中小型。IGZOの量産技術を確立したのも第2工場。

 

 

 

 

 

省エネ型パネル「IGZO」の量産技術を確立し、液晶技術力で世界トップクラスのメーカーのシャープ。本来であれば、ソニーやパナソニックなどの日本の家電大手からの救済があってもよいのですが、ソニーやパナソニックにもテレビ事業で多額の損失を被り体力がなく海外メーカーに頼らざるを得ないというのが何とも苦しいところです。

今後のシャープ動きには引き続き注目していきたい思います。

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