HOME > Biz Blog > 2012年2月号 > 2012/02/03 SUMCO、積極投資裏目

2012/02/03 SUMCO、積極投資裏目

今日は、日経朝刊9面に掲載されているSUMCOの話題から。

 

<2012年2月3日 日経朝刊9面要約>


・半導体材料のシリコンウエハー世界2位のSUMCOは2日、国内工場の閉鎖と従業員1300人の削減を柱とする再建策を発表。一連の構造改革に伴い2014年1月期までに総額955億円の損失が発生

・筆頭株主である住友金属と三菱マテリアルなどを引受先とする優先株を発行する方針。住友金属と三菱マテリアルは27.8%ずつ出資している。ただし、今回の支援では、「2社の間で意見の相違があった」(関係者)住友金属は新日鉄との合併を控えており、現在の保有比率を維持するかは不透明

・リーマンショックに加え、最近では太陽電池の価格競争、テレビ、パソコン向け半導体の需要不振で業績は低迷。今期の最終赤字は850億円で、前期の655億円を上回る。

・ライバルで世界首位の信越化学工業に業績が大きく見劣りするのは、「拠点数や設備、人員が多すぎたため」(SUMCOの田口社長)


<記事要約はここまで>

 

SUMCOは、記事にもあるように、住友金属と三菱マテリアルが大株主です。

スタートが、住友金属と三菱マテリアルにより、300mm口径のシリコンウエハーの開発及び製造を目的に設立しています。当初は三菱マテリアルのシリコン事業を中心でしたが、平成14年には住友金属のシリコン事業を事業譲受し、完全統合したのち、平成17年に上場しています。

◆シリコンウエハー2強

シリコンウエハーは、信越化学工業とSUMCOの2強で世界首位・2位を日本勢が独占しています。

それでも、信越化学とSUMCOの業績は明暗がハッキリしています。

 

信越化学工業 SUMCO
証券番号 4063 3436

直近売上高(百万円)

(半導体シリコン・セグメントの売上)

1,058,257

(283,795)

276,962

直近営業利益(百万円)

(半導体シリコン・セグメントの営業利益)

149,221

(38,864)

△8,431

直近営業利益率(%)

(半導体シリコン・セグメントの営業利益率)

14.10

(13.69)

個社財務情報(当社DB) 信越化学工業.pdf SUMCO.pdf
四半期財務情報(当社DB) 信越化学四半期.pdf SUMCO四半期.pdf
比較財務情報(当社DB) 2社年度比較.pdf  2社四半期比較.pdf

 

信越化学は塩化ビニルの最大手で、塩化ビニル、シリコーン、半導体シリコンなどを製造・販売しています。

SUMCOは高純度シリコンの製造・販売で90%超のセグメントとなっています。信越化学の半導体シリコン事業のセグメント情報は上表のカッコ書きで記載していますが、これで比較するとほぼ同じ規模といえるでしょうか。

それでも、利益はまったく対象の結果を示しています。

◆SUMCOのリストラ案

SUMCOの最近の財務状況は上記添付の個別財務情報と四半期財務情報のとおり相当厳しい状況が続いています。

そこで、いよいよ、「事業再生計画」を公表することになりました。

 

 

■平成24年2月2日SUMCO発表 「事業再生計画」策定に関するお知らせ

【リソース】SUMCOホームページ

 

これによれば、主に以下の理由で大幅な赤字になる見込みだそうです・

・世界経済の低迷や半導体の大幅な生産調整により、シリコンウェーハ需要が激減。

・歴史的な円高水準の定着。

・ソーラー用シリコンウェーハ事業は、急速に需要環境が悪化、大幅な価格下落が継続。

 

ソーラー用シリコンウェーハの価格推移は以下のように示されています。

 

<ソーラー用シリコンウェーハの価格推移>

【リソース】SUMCO「事業再生計画および2011年度業績予想の修正」より。

 

これは結構な下落幅ですね。

これを受けて、以下の事業再生計画を策定しています。

 

<事業再生計画の骨子>

・ソーラー用シリコンウェーハ事業からの撤退

⇒経常利益ベースで76億円の押上効果。

・半導体用シリコンウェーハ事業の生産拠点の再編と集約

⇒300mmは長崎工場のライン閉鎖し、伊万里工場、台湾FSTの2拠点へ集約。

⇒200mmは生野工場を閉鎖、伊万里工場・長崎工場へ生産移管。

⇒150mm以下は、伊万里工場の主力ラインを閉鎖、インドネシア工場・宮崎工場に生産集約。

・生産体制再構築に伴う要員体制の見直し

 

これにより、半導体シリコンウェーハ事業に経営資源を集中することになるようです。

 

この事業再生計画のためには、優先株式により資金調達を行い、住友金属と三菱マテリアルに各150億円、それ以外も含めて最大450億円の資金調達を計画していることも発表しました。

 

■平成24年2月2日SUMCO発表「優先株式の引受け要請に関するお知らせ」

【リソース】SUMCOホームページより 

 

 

日経の記事にもあるように、どうも住友金属が資本比率の維持に難色を示しているようです。

 

株価では、以下のようにリストラ案を好評価しており、今日はいわゆるストップ高で引けました。

直近3年の株価チャートは以下のとおり。

 

<SUMCO(3436) 3年週足チャート>

【リソース】SBI證券より

 

ここが勝負所かもしれませんね。

今後のSUMCOに注視したいところです。

以上

前へ  次へ

このページの先頭へ戻る