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2012/01/31 エクソン 販売事業、東燃ゼネラルに売却

今日は、日曜日に公表されたエクソンモービルの日本事業の縮小記事についての話題から。

 

■2012年1月29日 東燃ゼネラル公表「エクソンモービル有限会社の持分の取得およびエクソン モービルコーポレーションとの新たな提携関係への移行に関するお知らせ」

【リソース】http://www.tonengeneral.co.jp/apps/tonengeneral/pdf/2012-01-29_1ja.pdf

 

この話題の前に、石油業界について詳しくない方は、以前掲載した下記のBizBlogをご覧ください。

 

2012/01/11 石油資源と石油関連企業

 

◆エクソンモービルの日本事業撤退の概要

上記の以前BizBlogをご覧頂ければわかるように、エクソンモービルは4大石油メジャー(エクソンモービル、BP、RDシェル、シェブロン)の最大手で、石油・天然ガスの開発・精製をしている会社です。

東燃ゼネラルは、エクソンモービルの日本における石油精製会社としての位置づけにあり、エクソンが間接保有100%のエクソンモービル有限会社を通じて、東燃ゼネラルの50.5%(発行済株式割合で50.02%)を保有しています。

このエクソンモービル有限会社は、東燃ゼネラルの株式保有だけでなく、販売会社として「エッソ」「モービル」を展開しています。

 

<現状の資本関係>

【リソース】上記、東燃ゼネラルのIR情報より

 

この資本関係を、次のような資本関係とし、エクソンモービルの東燃ゼネラル保有割合を20%まで低下させています。

 

<新たな資本関係>

【リソース】上記、東燃ゼネラルのIR情報より

  

これにより、エクソンモービルは、日本で展開している以下の事業を売却することになります。

●東燃ゼネラルの株式売却(50%⇒22%)

●もう1つの精製会社である極東石油の売却(極東石油は三井物産の連結子会社・三井石油と50%の合弁で保有していた)

●販売会社「エッソ(Esso)」「モービル(Mobil)」の売却

 

上記によって、東燃ゼネラルとしては以下のように整理されます。

●エクソンモービルの関与は一定確保される。

●石油精製として、東燃ゼネラルと極東石油の2社を保有。

●販売会社は「エッソ」「モービル」「ゼネラル」となる。

 

これは、恐らく、今後整理され、東燃ゼネラルと極東石油は統合される可能性もあるし、販売会社も「エッソ」「モービル」「ゼネラル」が統一ブランドとなる可能性もあるでしょうね。JX日鉱日石は、「エネオス」ブランドに統一されたのは記憶に新しいところです。

◆買収額は約3000億円

今回のディール(エクソンモービル有限会社の持分99%)の金額は約3000億円とのことです。

FAを野村證券が担当しており、以下の2つ方法により評価しているようです。ちなみに、財務・税務DDはトーマツ、法務DDは西村あさひ法律事務所が担当しているようです。東燃ゼネラルは野村證券からフェアネスオピニオンも取得しているみたいです。

 

●類似会社比較法 2790億円〜4230億円

●DCF法 3400億円〜4650億円

 

資料として開示されているエクソンモービル有限会社の損益状況は以下の通り。

 

注:エクソンモービル有限会社の経常利益には東燃ゼネラルからの配当金を含んでいる。

 

ちなみに、東燃ゼネラルの個別財務情報は以下のとおりです。

 

東燃ゼネラル個別財務情報.pdf

【リソース】IKP財務データベース

  

営業利益ベースだと3年平均で173億円なので、割引率6%ぐらいでざっくり3000億円ですね。

ファイナンスは1000億円は手元資金で、2000億円はローンで調達するようです。エクソンモービル有限会社を買収したことで取得する自己株式については、50%までの処分も一つの選択肢として、最適資本構成を考えるとのことです。

◆株価の状況

東燃ゼネラルの株価状況は以下の通り。

 

<平成24年1月31日 東燃ゼネラル(5012)6か月日足チャート>

【リソース】SBI証券より

 

エクソンの日本事業撤退の報道は1月はじめに出ました。

これを受けて、東燃ゼネラルは株価が低迷しています。

競争激化の石油事業において、東燃ゼネラルの今後の展開に先行き不透明感があるのも否めず、また3000億円程度の買収資金が財務リスクを高めることも必至で、株価低迷となっていると考えられます。

 

エクソンと同様のモデルといえば、昭和シェルでしょうか。RDシェルの日本事業として昭和シェルにおいて精製・販売が行われています。

 

<平成24年1月31日 昭和シェル(5002)6か月日足チャート>

【リソース】SBI証券

 

上記の株価をみる限り目立った動きはないようです。

 

ただ、国内市場規模が縮小していくこの中で、業界再編の可能性は非常に高まってくると思われます。

今後も石油業界に注目ですね。

以 上

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