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2011/10/25 国税庁 平成22事務年度の所得税・消費税等の調査状況 公表

当社HPの「会計・税務ニュース」でも掲載していますが、10月20日に国税庁より平成22事務年度(平成22年7月から平成23年6月までの間)に実施した所得税および消費税(個人事業者のみ)の税務調査状況を取り纏めた資料である「平成22事務年度における所得税及び消費税調査等の状況について」が公表されています。

 

そこで、本日は所得税と消費税(個人事業者)の税務調査状況の大まかな分析を最近の税務調査の傾向をまとめてみました。

 

【平成22事務年度 所得税および消費税(個人事業者のみ)の調査状況】

 

<所得税>
 項目\区分 実地調査 簡易な接触 合計
調査等の件数(A) 94,759件 599,075件 693,834件
申告漏れ等の件数(B) 76,126件 380,252件 456,378件
申告漏れ等の割合 (B/A) 80.33% 63.47%  65.77%
申告漏れ所得金額 (C)  6,013億円 3,588億円  9,601億円
追徴税額(D) 995億円 245億円 1,239億円
調査1件当たり申告漏れ所得金額 (C/A) 635万円 60万円 138万円
調査1件当たり追徴税額(D/A) 105万円 4万円 18万円

 

<消費税(個人事業者のみ)>
 項目\区分 実地調査 簡易な接触 合計
調査等の件数(A) 57,647件 40,357件 98,004件
申告漏れ等の件数(B) 46,350件 20,774件 67,124件
申告漏れ等の割合 (B/A) 80.40% 51.47%  68.49%
追徴税額(D) 231億円 22億円 253億円
調査1件当たり追徴税額(D/A) 40万円 5万円 26万円

 

上記でいう実地調査は「特別調査・一般調査」および「着眼調査」を含み、追徴税額は、本税のみならず加算税を含んでいます。

なお、各調査の内容は下記のとおりです。

「特別調査・一般調査」…高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査をいう。このうち特別調査は、多額な脱漏が見込まれる者等を対象に相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものである。

「着眼調査」…申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う調査をいう

「簡易な接触」…文書または来署依頼による面接等により、計算誤りや所得(税額)控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触をいう。

 

実地調査を受けた者の8割が申告漏れの指摘を受けているとは実に高い割合です。また、調査1件当たりの申告漏れ所得金額が全体で140万円とのことですので、幅広い所得層に接触を行っているとの印象を受けます。

 

<事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位5業種>

順位 業種目

1件当たりの

申告漏れ所得金額

1件当たりの

追徴税額

直近の年分に係る

申告漏れの割合

風俗業 2,076万円 486万円 88.2%
廃棄物処理 1,625万円 412万円 48.8%
プログラマー 1,492万円 237万円 52.4%
くず金棚卸業 1,326万円 367万円 32.4%
情報サービス 1,273万円 208万円

58.4%

 

前年8位のプラグラマーが順位を上げています。フリーのプログラマーが増加が要因でしょうか。

 

 

【所得税および消費税(個人事業者のみ)の税務調査の傾向】

 

■ 金地金等に係る譲渡所得調査の強化

 

近年、金やプラチナの価格が歴史的高値水準にあり、金地金等の譲渡による多額な譲渡益が生じやすい環境にあるため、積極的な調査の実施を行っているようです。

なお、金地金等を売却して譲渡益が生じた場合、原則として総合課税の譲渡所得として課税されます。また、平成24年1月1日以降、金地金等の売買を業として行う者が、国内においてそれらの譲渡を受け、200万円超の対価を支払う場合に、税務署に対して支払調書を提出することが義務付けられます。

 

■ 富裕層への調査の強化

 

項目\年度 21事務年度 22事務年度 対前年比
調査件数(A) 3,061件 4,793件  156.6%
申告漏れ等の件数(B) 2,513件 3,717件 147.9%
申告漏れ等の割合 (B/A) 82.09% 77.55% 94.4%
申告漏れ所得金額 (C) 374億円 500億円 133.8%
追徴税額(D) 119億円 149億円 126.1%
調査1件当たり申告漏れ所得金額 (C/A) 1,221万円 1,043万円 85.4%
調査1件当たり追徴税額(D/A) 387万円 312万円 80.5%

 

項目\年度

21年事務年度

実施調査(特別・一般)全体

22年事務年度

実地調査(特別・一般)全体

対前年比
調査件数  62,645件  57,315件  91.4%

 

全体の調査件数が減少にしているにもかかわらず、富裕層への調査件数が増えている点から、富裕層への税務調査の強化がわかります。 

 

■ インターネット取引者への課税の強化

 

インターネット取引者とは、ネット通販・ネットオークション・ネット広告・ ネットトレードなどを行っている者を指します。

インターネット取引者は、無店舗による事業形態となり、把握が困難ですが、様々な情報を収集しているようです。実際、実地調査(特別・一般)件数の調査件数、1件当たりの申告漏れ所得金額など前事務年度比で増加しており、積極的な調査が行われていることがわかります。 

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