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(平成23年12月31日現在)
18.被投資企業に対するパワーを使う能力(パワーとリターンのリンク)
・委譲されたパワー
・意思決定権限の範囲
・他の当事者が保有する実質的権利
・意思決定企業の報酬
・被投資企業に対して自身が保有する他の持分より生じるリターンの変動性に対するエクスポージャー
19.委譲されたパワー
意思決定権限を有する投資企業(意思決定者)が、被投資企業を支配しているかどうか評価する場合、自らが本人か代理人かを判断しなければなりません。投資企業は、さらに意思決定権限を有する他の企業が投資企業の代理人として行動しているかどうかも判断しなければなりません。
代理人とは、他の当事者(本人)の代わって、その利益のために行動することを主とする当事者です。投資企業のパワーを代理人が保有し、代理人が行使できる場合もあるが、それは本人の代理として行使できるにすぎません。それゆえ、代理人が意思決定権限を行使する場合、被投資企業を支配していません(IFRS10.17、IFRS10.18、IFRS10.B58)。
なお、意思決定者は、単に自らの意思決定による他の者が利益を得ることができるというだけでは、その意思決定者が代理人ということにはなりません(IFRS10.B58)。
投資企業は、ある特定の事項あるいはすべての関連する活動について、代理人にその意思決定権限を委任する場合ばあります。その場合においても投資企業は、被投資企業を支配しているかどうか評価する場合、投資企業は代理人に委譲された意思決定権限を直接保有しているものとして扱わなければなりません。
本人が複数いる場合には、それぞれの本人がパワーの評価における要求事項(IFRS10.B5-B54)を考慮して、被投資企業に対するパワーを有しているかどうかを検討しなければなりません。(IFRS10.B59)
20.本人か代理人かの判断
意思決定者は、自身が代理人かどうかの決定する際に、自身と、管理されてる被投資企業および被投資企業に関与している他の当事者との間の全体的な関係、特に下記の要因のすべてを考慮しなければなりません(IFRS10.B59)。
(a) | 被投資企業に対する意思決定権限の範囲 |
(b) | 他の当事者が保有している権利 |
(c) | 報酬契約に従って得る権利のある報酬 |
(d) | 投資企業に対して保有している他の関与により生じるリターンの変動性に対する意思決定者のエクスポージャー |
特定の事実および状況に基づき、それぞれの要因に異なった比重が適用しなければなりません(IFRS10.B60)。
また、意思決定者が代理人かどうか判断する際は、上記すべての要因の評価が必要となります(ただし、一人の当事者が、意思決定者を排他する実体的権利(排除権)を有していて、意思決定者を理由なしに解任できる場合を除く)。(IFRS10.B61)
●.意思決定企業の報酬
被投資企業から期待されたリターンに関する意思決定者の報酬の規模や連動する変動性がより多いほど、意思決定者はより本人である可能性が高い。(IFRS10.B68)
本人または代理人かどうか判断する際に、意思決定者は、さらに次の条件が存在するかどうか考えなければならない。(IFRS10.B69)
(a) | 意思決定者の報酬は提供したサービスと釣り合っている |
(b) | 報酬協定は、同様のサービスのための取り決めの中に慣習的にある条項、条件あるいは金額だけを含んでいます。また、技術のレベルは商業ベース上で交渉しました。 |
もしパラグラフB69(a)と(b)で明記された条件が、存在しなければ、意思決定者は代理人になりえません。しかしながら、単独でそれらの条件を満たすことは、意思決定者が代理人であると結論づけるには十分ではありません。(IFRS10.B70)
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