株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」(2/3)

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(平成23年1月31日現在)

7.売却目的保有に分類された非流動資産(又は処分グループ)の測定

企業は、売却目的保有に分類された非流動資産(又は処分グループ)は、下記のいずれか低い金額で測定しなければなりません。(IFRS5.15)

帳簿価額

売却費用控除後の公正価値

 

また、処分目的の非流動性資産(又は処分グループ)を、企業結合の一部として取得する場合売却費用控除後の公正価値で測定しなければなりません。(IFRS5.16)

さらに、売却が1年以上先に行われることが見込まれる場合には、企業は、売却費用をその現在価値で測定しなければなりません。時の経過から生じる売却費用の現在価値の増加は、財務費用として純損益に表示します。(IFRS5.17)

 

<分類前の測定>

資産(又は処分グループ)を売却目的保有として最初の分類をする直前においては、資産(又はグループに含まれるすべての資産及び負債)の帳簿価額は、該当する国際財務報告基準に従って測定しなければなりません。(IFRS5.18)

 

<分類後の公正価値測定前の再測定>

処分グループの事後的な再測定において、売却目的保有に分類された処分グループに含まれる本基準の測定に関する定めの範囲外の資産及び負債の帳簿価額は、処分グループの売却費用控除後の公正価値を測定する前に、該当する国際財務報告基準により測定しなければなりません。(IFRS5.19)

8.所有者目的保有に分類された非流動資産(又は処分グループ)の測定

企業は、所有者分配目的保有に分類された非流動資産(又は処分グループ)は、下記のいずれか低い金額で測定しなければなりません。(IFRS5.15A)

・帳簿価額

・分配のための費用控除後の公正価値

9.非流動資産(又は処分グループ)の減損損失及び戻入れの認識

<減損損失の認識>

企業は、資産(又は処分グループ)について、当初又はその後に行う売却費用控除後の公正価値までの評価減について、減損損失を認識しなければなりません。(IFRS5.20)

 

<減損損失の戻入れ>

企業は、資産について売却費用控除後の公正価値がその後において増加した場合、その評価益(減損損失の戻入れ)を認識しなければなりません。ただし、本基準又は過去にIAS第36号「資産の減損」に従って認識した累積減損損失額を超えてはいけません。(IFRS5.21)

 

また、企業は、処分グループについて売却費用控除後の公正価値がその後において増加した場合には、本基準の測定に関する定めの範囲外の資産及び負債について、処分グループの売却費用控除後の公正価値を測定する前に、該当する国際財務報告基準により測定したことによる評価益が認識されていない範囲で、かつ、本基準の測定に関する定めの範囲内にある非流動資産に係る累積減損損失額(本基準に従って、又は過去にIAS第36号に従って認識されたもの)を超えない範囲で、その評価益(減損損失の戻入れ)を認識しなければなりません。(IFRS5.22)

 

<処分グループの場合の減損損失または戻入れの配分>

処分グループについて認識した減損損失は、IAS第36号に示された下記の配分の順序に従って、本基準の測定に関する定めの適用範囲内である、グループに含まれる非流動資産の帳簿価額の減額としなければなりません。(IFRS5.23、IAS36.104)

 ① 最初に、処分グループに配分されたのれんの帳簿価額を減額する。

 ② 次に、当該処分グループ内の各非流動資産の帳簿価額に基づいた比例按分によって、当該単位内のその他の非流動資産に対して配分する。

 

 処分グループについて認識した減損損失の戻入れは、IAS第36号に示された下記の配分の順序に従って、本基準の測定に関する定めの適用範囲内である、グループに含まれる非流動資産の帳簿価額の増額としなければなりません。(IFRS5.23、IAS36.122)

 ① 当該処分グループ内ののれん以外の非流動資産に

 ② 各非流動資産の帳簿価額に基づいた比例按分によって、当該単位内のその他の非流動資産に対して配分する。

 

<非流動資産(又は処分グループ)の関連損益の認識>

非流動資産(又は処分グループ)の売却日までの間に認識されていなかった利得又は損失は、認識の中止の日において認識しなければなりません。認識の中止に関連する定めは、有形固定資産についてはIAS第16号で、無形資産については、IAS第38号に示されています。(IFRS5.24、IAS16.67-72、IAS16.112-117)

 

非流動資産が売却目的保有に分類されている間又は売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、企業は、当該非流動資産について減価償却(又は償却)を行ってはいけません

一方、売却目的保有に分類された処分グループの負債に起因する利息やその他の費用は、引き続き認識しなければなりません。(IFRS5.25)

10.売却計画の変更

企業がある資産(又は処分グループ)を売却目的保有に分類していたが、もはや分類要件を満たさなくなった場合には、企業は当該資産(又は処分グループ)を売却目的保有に分類することを中止しなければなりません。(IFRS5.26)

 

<売却目的保有への分類を中止した場合の測定>

企業は、売却目的保有に分類することを中止する(又は売却目的保有に分類された処分グループに含むことを中止する)非流動資産を、下記のいずれか低い金額で測定しなければなりません。(IFRS5.27)

 

 ・ 資産(又は処分グループ)が売却目的保有に分類される前の帳簿価額に、売却予定に分類されていなければその資産(又は処分グループ)について認識されていたであろう減価償却費、償却費又は再評価額について調整を行った金額

 ・ 売却しないという事後的な意思決定の時点での回収可能価額

 

<中止した場合の関連損益の表示>

企業は、売却目的保有に分類することを中止する非流動資産の帳簿価額に対して要求された調整を、分類要件を満たさなくなった期間の継続事業からの純損益に含めなければいけません。非継続事業の定義を満たさない、売却目的保有として分類される非流動資産(又は処分グループ)の再測定による損益についても、継続事業からの純損益として上記と同じ科目で表示しなければなりません。(IFRS5.28)

 

<処分グループから一部の資産又は負債を除外する場合>

企業が売却目的保有に分類している処分グループから個別の資産又は負債を除外する場合、 売却予定の当該グループの残りの資産及び負債は、当該グループが分類要件を満たす場合にのみ引き続き処分グループとして測定しなければなりません。

そうでない場合には、当該グループの残りの非流動資産のうち、個々に売却目的保有に分類する要件を満たすものについては、帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で個々に測定しなければなりません。

要件を満たさない非流動資産は、売却目的保有に分類することを中止しなければなりません。(IFRS5.29)

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