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IAS第38号「無形資産」(目的・範囲)

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(平成22年12月31日現在)

1.目的

IAS第38号の目的は、無形資産に関する一連の会計処理(認識、測定等)を定めることにあります。IAS第38号は、特定の要件を満たす場合にのみ、企業に無形資産の認識を求めています。(IAS16.1)

 

2.範囲

IAS第38号は、無形資産の会計処理に適用します(IAS38.2)。特に、広告、教育・訓練、開業準備、研究および開発活動に関する支出を適用対象としています(IAS38.5)。

 

ただし、以下のものは適用範囲外としています(IAS38.2,3)。

 

【IAS第38号の適用対象外の項目】

他の基準の適用範囲内の無形資産
IAS第32号「金融商品:開示」で定義されている金融資産
探査および評価資産の認識および測定(IFRS第6号「鉱物資源の探査及び評価」参照)
鉱業権および鉱物、石油、天然ガスおよび類似する天然資源の開発および発掘のための支出

 

 他の基準の適用範囲内の無形資産とは、例えば下記のような資産が挙げられます。

企業が事業の通常の過程で販売するために所有する無形資産(IAS第2号「棚卸資産」およびIAS第11号「工事契約」参照)
繰延税金資産(IAS12号「法人所得税」参照)
IAS第17号「リース」の範囲に含まれるリース
従業員給付から生じる資産(IAS第19号「従業員給付」参照)
IAS第39号に定義される金融資産
企業結合で取得したのれん(IFRS第3号「企業結合」参照)
IFRS第4号「保険契約」の範囲に含まれる、保険契約に基づく保険者の契約上の権利から生じる、繰延新契約費及び無形資産(ただし、当該無形資産の開示内容は本基準を適用する)
IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って、売却目的保有に分類される(または売却目的保有に分類された処分グループに含まれる)、非流動の無形資産

 

 

<無形資産と有形資産の双方の要素が一体となっている資産>


一部の無形資産は、CD(ソフトウェアなどの場合)、法的書類(免許や特許などの場合)、またはフィルムのような物理的実体の中または上に存在する場合があります。このような無形および有形の双方の要素が一体となっている資産を、IAS第16号「有形固定資産」により処理すべきか、無形資産として本基準で処理すべきかを決定するに際しては、企業は、いずれの要素がより重要であるかの判断を用います。(IAS38.4)

 

例えば、コンピューター制御の工作機械の、コンピューターのソフトウェアは、その特別なソフトウェアがなければ機械は稼働不可能なため、関連するハードウェアの不可欠な一部であり、したがって、それを有形固定資産として処理します。コンピューターのオペレーティング・システムに関しても同様です。

一方、ソフトウェアが関連するハードウェアの不可欠な一部でない場合は、コンピューターのソフトウェアは無形資産として処理されます。

 

 

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