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匿名組合(会計、税務)

1.匿名組合における会計(投資家サイド)

 TKにおける会計処理は、民法上の任意組合、LPS、LLPと特に変わりません。

 連結に関する検討も基本的に同様で、実務対応報告20号「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会、平成18年9月8日)に従って検討されます。TKの場合、営業者が業務執行権を有しており、匿名組合員がTKを連結することは通常は考えられませんが、営業者が特定の匿名組合員の緊密な者であると判定された場合には、その特定の匿名組合員はTKを連結する必要が生ずる可能性が高くなります。 

2.匿名組合における会計(TK自体)

 TKの会計報告は、一定の計算期間を基準として、営業者が貸借対照表及び損益計算書等を作成し、各計算期間の終了後に匿名組合員に対して行われます。計算期間は、その分配回数によって設定され、「毎月分配型」であれば、計算期間は1カ月となり、四半期や年度といった期間が考えられます。

 TK自体の会計処理は、契約関係で行われるものであるため、何かしらの会計基準を採用する必要はありませんが、一般的には営業者に対して適用される会計基準(会社法や税法)を用いて計算されることがほとんどです。このため、SPCとTKのBS及びPLはほとんどが一致します。TK契約上で細かく計算規定を設けることは可能ですが、そのような処理を行うと、営業者のBS及びPLとTKのBS及びPLとの間で不一致がおき、実務上管理が煩雑となるため採用されないことが多いと考えられます。なお、営業者はGKであれば会社法の計算規定に従わなければならないので、たとえTK契約で特約規定を設けていたとしても、GK自身のBS及びPLの計算で特約規定を適用することは認められませんし、もちろん、税務上の処理においても法人税法等の税法が適用されます。

3.匿名組合における税務(総論)

 TKの場合、TKは利益分配に関する契約を定めたものでしかすぎず、課税関係からすれば、営業者に対して課税することで解決されます。つまり、原則的に、組合型ファンドのような“パススルー税制”は採用されていません。

 しかしながら、共同事業の一形態としてTKがあり、経済的実質からすれば民法上の任意組合やLPS、LLPとそれほど相違なく、パススルー税制のような制度を設けなければ、課税の平等性が担保できなくなります。このため、営業者から匿名組合員に対して分配した利益もしくは損失は、営業者の課税所得の計算上、損金もしくは益金として算入することが認められています(所得税個本通達36・37共-21の2、法人税基本通達14-1-3)。

 この結果、実質的にパススルー性が確保され、他の組合型ファンドと同様の税務上のメリットを得ることが可能となります。ただし、「TK契約によりその分配を受け又は負担すべき部分の金額をその計算期間の末日における事業年度の益金の額又は損金の額に算入」と定められているように、パススルー制を最大限活用するためには、事業年度の末日をTK計算の末日と合致させる必要があります。

4.匿名組合における税務(個人組合員)

 個人の匿名組合員の場合、TKから分配される利益は原則として雑所得に分類されます。ただし、匿名組合員がTK事業を営業者と共同して経営している場合には、営業内容によって事業所得またはその他の各種所得に応じた申告となります。また、もし分配金が出資額の一定割合といったような貸付に似た分配規定であれば、その分配金は貸付から生じた所得として利子所得とみなされます。

 一方で、損失分配の場合は、未実現損失であることから所得税法上は必要経費に算入することができず、TK契約の終了時に損失が確定した時点で処理されることになります。

5.匿名組合における税務(法人組合員)

 法人の匿名組合員の場合、TK契約によって分配されるべき利益の額をその計算期間の末日の属する事業年度の益金の額として処理します(法人税基本通達14-1-3)。このため、現実に利益の分配を受けていないとしても、益金の額に算入する必要があるので注意が必要です。

 損失の額の負担がある場合には、利益の場合と同様に、負担させるべき損失の額が損金として処理されます。ただし、民法上の任意組合等と同様に、特定組合員に該当する場合には、損金不算入規定が適用され一定額について損金算入することが認められません(租税特別措置法67条の12)。

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