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公正価値測定の測定技法

(平成23年5月16日現在)

3−9.評価技法

 企業は、公正価値を測定する際に、評価技法(valuation techniques)を用いて評価します。評価技法は、金融工学に基づいて評価する方法もあれば、単純に市場の公表価格を参照して評価するという方法もあります。

 企業は、状況に応じた適切なものであり、公正価値を測定するために十分なデータが入手できる評価技法を用い、関連する観察可能なインプットを最大限活用し、観察不能なインプットの利用を最小限に抑えなければなりません(IFRS13.61)。評価技法の使用の目的は、測定日における現在の市場環境での市場参加者間に存在する、資産を売却する又は負債を移転するための秩序ある取引が行われる価格を見積ることです。一般的には、次の3つのアプローチが採用されます(IFRS13.62,B5〜B11)。

 

項  目 内   容

マーケット・アプローチ

Market Approach

同一又は比較可能な(つまり類似の)資産、負債又は事業のような資産及び負債のグループに関連した市場取引によって生み出された、価格及びその他の関連する情報を使用する評価技法。

コスト・アプローチ

Cost Approach

資産の用役能力を再調達するために現在必要となる金額(現在再調達原価としばしば呼ばれる)を反映する評価技法。

インカム・アプローチ

Income Approach

将来の金額(例えば、キャッシュ・フロー又は収益及び費用)を単一の現在の(つまり、割引された)金額に変換する評価技法。公正価値測定は、将来の金額に関する現在の市場の期待により示される価値を基準に算定される。

 

 

〈複数の評価技法の利用〉


 企業は、単一又は複数のアプローチを整合して利用しなければなりません。例えば、上場株式は取引所で公表価格があるので、単一の評価技法が適しているといえますし、一方で、企業や事業の公正価値を評価する場合には、複数の評価技法を組み合わせて評価することもあります。複数の評価技法を利用した場合には、それぞれの評価技法で算定された評価範囲の合理性を評価する必要があります。公正価測定額は、当該範囲内の値(point)となります(IFRS13.63)。

 

〈観察不能なインプットを利用する評価技法の利用〉


 取引価格が当初認識時の公正価値であり、観察不能なインプットを利用する評価技法が事後の期間で公正価値を測定するために利用される場合、評価技法は、当初認識時に評価技法の結果が取引価格と等しくなるために調整する必要があります。調整は、評価技法が現在の市場環境を反映していることを保証し、企業が評価技法の調整が必要であるかどうかを決定する助けとなります。例えば、評価技法によって捕捉されていない資産又は負債の特性があります。当初認識後、観察不能なインプットを利用する評価技法又は複数の技法を使用して公正評価を測定する場合、企業は、測定日における観察可能な市場データ(例えば、同様の資産又は負債の価格)を反映していることを保証しなければなりません(IFRS13.64)。

 

〈評価技法の変更〉


 公正価値を測定するために使用されている評価技法を、整合的に適用しなければなりません。しかし、変更によってその状況における公正価値に等しく又はより表す測定額の結果を生じさせる場合、例えば複数評価技法が使用されている場合の加重の変更又は評価技法に適用された調整における変更といった、評価技法もしくはその適用における変更は適切です。例えば、次のような事象が生じる場合に該当します(IFRS13.65)。

  • 新しい市場の発展
  • 新しい情報が入手可能になる
  • 以前に利用されていた情報がもはや利用可能でない
  • 評価技法が発展する
  • 市場環境が変化する

 

 評価技法又はその適用の変更から生じている修正は、IAS第8号に従って会計上の見積りの変更として会計処理されなければなりません。ただし、会計上の見積りの変更におけるIAS第8号の開示は、評価技能又はその適用の変更から生じる修正に関して要求されません(IFRS13.66)。

 

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