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企業自身の資本性金融商品による決済

(平成23年5月16日現在)

3.企業自身の資本性金融商品による決済

 金融商品が金融負債か資本性金融商品かを区分する場合、現金又はその他の金融資産を引き渡す契約上の義務もしくは当該発行者にとって潜在的に不利な条件で、他の企業と金融資産又は金融負債を交換する義務がなければ、次に、自己の持分で決済される(又は決済される可能性がある)契約が次の事項に該当する場合、資本性金融商品として分類します。

 

 [企業自身の資本性金融商品による決済の分類]

  • 自らの資本性金融商品の可変数を発行者が引き渡す契約上の義務を含んでいない非デリバティブ。
  • 固定額の現金その他の金融資産を発行者自身の資本性金融商品の固定数と交換することによってのみ決済されるデリバティブ

 

 企業自身の資本性金融商品で決済されるか、又は決済される可能性がある場合だけで資本性金融商品にはなりません。 まず、当該金融商品がデリバティブか否かで処理が分かれます。

 

(A) 当該金融商品が非デリバティブの場合


 企業が引き渡す資本性金融商品が「可変数」である場合もしくはそうなる可能性がある場合には、当該金融商品は金融負債となります。企業が引き渡す資本性金融商品が「可変」であるということは、自己の資本性金融商品を「通貨」のように見立てて決済をしているのと変わらないためです。この場合の「可変」は、固定金額又は、発行体自身の資本性金融商品の市場価格以外の変数(例えば、金利、コモディティ価格又は株価)の変動に部分的又は全面的に反応して変動する金額の場合もあります。

 

 [金融負債となる具体例]

  • 価値が100円に等しくなるだけの数の株式を引き渡す契約
  • 100オンス(筆者注:オンス(trroy ounce)は貴金属の重量単位)の金地金と価値が等しくなるだけの数の株式を引き渡す契約

 

(B) 当該金融商品がデリバティブの場合


 当該金融商品がデリバティブで、固定額の現金その他の金融資産を発行者自身の資本性金融商品の固定数と交換することによってのみ決済されるものであれば、資本性金融商品となります。ただし、交換対象となる資本性金融商品が例外的プッタブル金融商品(16A 項及び16B項)又は例外的清算時償還金融商品(16C項及び16D項)に該当するものである場合には、金融負債として処理されます(IAS32.22A)。

 また、企業が自らの資本性金融商品を現金又はその他の金融資産で購入する義務を含んだ契約(契約それ自体が資本性金融商品である場合を含む。)は、その償還金額(例えば、先渡購入価格、オプション行使価格、あるいはその他の償還金額の現在価値)について金融負債となります(複合金融商品について、後述)。

 なお、受け取った対価(企業自身の株式に関する売建オプション又はワラントに対するプレミアムなど)は、資本に直接加算されます。支払った対価(買建オプションに対するプレミアムなど)は、資本から直接控除されます。資本性金融商品の公正価値の変動は、財務諸表に認識されません(IAS32.22)。

 

 [資本性金融商品の具体例]

  • 企業の株式の一定数を、固定価格又は一定の元本金額の債券で購入する権利を相手方に与える株式オプション 

 [金融負債の具体例]

  • 自らの資本性金融商品を現金で買い取る先渡契約に基づく企業の義務
  • 企業自身の資本性金融商品を固定価格で企業に売却する権利を相手方に与える売建プット・オプション
  • 企業が変動額の現金その他の金融資産と交換に一定数の自らの資本性金融商品を引き渡すことにより決済される契約

 

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