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IAS第21号「外国為替レート変動の影響」(外貨建取引の換算 1/2)

(平成22年12月31日現在)

4.外貨建取引の換算 −機能通貨の決定−

機能通貨(functional currency)」とは、企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨をいいます(IAS21.8)。

 

企業が営業活動を行う主たる経済環境とは、通常、企業が主に現金を創出し支出する環境をいいます。企業は機能通貨を決定するために次の要因を考慮します。(IAS21.9)

 

 ● 売上に関連する通貨

財貨及び役務の販売価格に大きく影響を与える(多くの場合、財貨や役務の販売価格が表示され、決済されるときの通貨となる)通貨
競争力及び規制が財貨と役務の販売価格を主に決定することになる国の通貨

 

 ● 原価に関連する通貨

労務費、材料費や財貨や役務を提供するためのその他の原価に主に影響を与える通貨(多くの場合、当該原価が表示され、決済されるときの通貨となる)

 

上記の要因では判断できない場合は、次の要因を検討します(IAS21.10,12)。

 

 ● 財務に関連する通貨

財務活動(負債性金融商品や資本性金融商品の発行)により資金調達するときの通貨
営業活動からの受取金額が通常、留保される通貨

 

また、在外営業活動体の機能通貨を決定するときに、その機能通貨が、報告企業(在外営業活動体を子会社、支店、関連会社又はジョイント・ベンチャーとして有している企業)の機能通貨と同じかどうかを判断するため、次の要因を考慮して決定します(IAS21.11)。

 

在外営業活動体の活動が、報告企業の延長線上で営まれているかどうか

(延長線上で営まれている例としては、在外営業活動体が報告企業から輸入した財貨のみを販売し、その受取金を報告会社に送金するにとどまる場合など)

報告企業との取引が、在外営業活動体の活動に占める割合が高いか低いか
在外営業活動体の活動からのキャッシュ・フローが、報告企業のキャッシュ・フローに直接影響を与え、すぐに送金できるようになっているかどうか
在外営業活動体の活動からのキャッシュ・フローが、報告企業が活用できる資金がなくても既存の、そして通常予定される債務の返済に十分かどうか

 

上記の要因を検討しても機能通貨が明らかとならない場合には、経営者は基本となる取引、事象及び状態の経済的効果を最も忠実に表す機能通貨を決めるためにその判断力を行使する必要があります(IAS21.12)。

また、いったん決定したら、機能通貨は当該の基本的な取引、事象及び状態に変更がない限り変更してはいけません(IAS21.13)。

5.外貨建取引の換算 −当初認識−

「外貨建取引(foreign currency transaction)」とは、外貨で表示されているか又は外貨での決済を必要とする取引をいいます。例えば、次のような取引があります(IAS21.20)。

 

価格が外貨で表示されている財貨の売買又は役務の授受をする場合
未収金又は未払金の金額が外貨で表示されている資金の借入れ又は貸付けをする場合
その他の方法により外貨で表示されている資産を取得するか若しくは処分する場合、又は負債を負うか若しくは決済する場合

 

外貨建取引は、機能通貨による当初認識においては、取引日における機能通貨と当該外貨間の直物為替レートを外貨額に適用して機能通貨で計上しなければなりません(IAS21.21)。

取引日とは、取引がIFRSに従って最初に認識の要件を満たした日をさします。

 

ただし、実務上の理由から、取引日の実際レートに近似するレート(例えば、1週間又は1か月の平均レート)を使用することが認められていますが、為替レートが著しく変動している場合には、一定期間の平均レートを使用することは不適切となります(IAS21.22)。

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