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IAS第19号「従業員給付」(その他の長期従業員給付)

(平成22年12月31日現在)

31.その他の従業員給付(定義)

その他の長期従業員給付(other long-term employee benefits)」とは、従業員が関連する勤務を提供した期間の末日後12カ月以内に決済の期限が到来しない従業員給付(退職後給付及び解雇給付を除く)をいいます(IAS19.7)。

 

その他の長期従業員給付には、例えば次のものを含みます。(IAS19.126)

長期勤務休暇又は研究休暇のような長期有給休暇
記念日又は他の長期勤務給付
長期障害給付
従業員が関連する勤務を提供した期間の末日から12か月以上後に支払うべき利益分配及び賞与
稼得された期間の末日から12か月以上後に支払う繰延報奨

32.その他の従業員給付(認識と測定)

<考え方>


その他の長期従業員給付の測定には、通常、退職後給付の測定ほどの不確実性の問題はなく、さらに、その他の長期従業員給付の導入又は変更が、多額の過去勤務費用を発生させることはほとんどありません。

このような理由から、退職後給付に関して要求される会計処理と異なり、「数理計算上の差異は直ちに認識し、「回廊」は適用しない」「すべての過去勤務費用は直ちに認識する」など単純化した方法を定めています。(IAS19.127) 

 

<認識及び測定>


その他の長期従業員給付に関する負債として認識する金額は、(a)−(b)の金額としなければなりません。(IAS19.128)

 

(a) 報告期間の末日における確定給付制度債務の現在価値(21.の数理計算上の評価方法と同様)
(b) 当該債務を直接決済する制度資産(もしあれば)の報告期間の末日における公正価値(24.の制度資産(公正価値)と同様)

 

負債を測定するにあたって、企業は退職後給付の規定(IAS19.49〜91、ただしIAS19.54,61を除く)を適用しなければなりません。また、企業は、補填の権利の認識及び測定に際しては、IAS19.104Aを適用しなければなりません。

 

その他の長期従業員給付の1つの形態は、長期障害給付が考えられます。給付水準が勤務期間に依存する場合には、勤務を提供した時に債務が発生し、当該依務の測定には、支払が要求される確率及び支払が行われると予想される期間を反映させます。給付水準が勤務期間を問わず障害を有するいずれの従業員にも同一である場合には、当該給付の予想費用は長期障害を引き起こす事象が発生した時に認識されます。(IAS19.130)

 

その他の長期従業員給付に関連して、企業は、他の基準が資産の原価に含めることを要求又は許容している範囲を除き、次の金額の差引合計を費用又は収益(ただしアセットシーリングを制約として)として認識しなければなりません。(IAS19.129)

 

@ 当期勤務費用
A 利息費用
B 制度資産や資産として認識された補填の権利があれば、それらに係る期待収益
C 数理計算上の差異(全額を直ちに認識しなければならない)
D 過去勤務費用(全額を直ちに認識しなければならない)
E 縮小又は清算があればその影響

33.その他の従業員給付(開示)

その他の長期従業員給付に関して特定の開示を要求されていません。しかし、例えば、当該給付から生じる費用が、重要であり、したがってIAS 第1号に従って開示が要求される場合、開示が要求されることがあります。

また、IAS第24号「関連当事者についての開示」により要求される場合には、企業は、経営幹部へのその他の長期従業員給付に関する情報を開示します。(IAS19.131)

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