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概念フレームワーク 1/3

(平成23年1月31日現在)

1.目的

IASBは、財務諸表の作成および表示の基礎となる諸概念について定めた「財務諸表の作成および表示に関するフレームワーク(以下、「概念フレームワーク」という)」を公表しています。

概念フレームワークは、会計基準の開発・改正にかかる憲法のようなもので、主として下記のような目的のために公表されています(fw1)。

 

・会計基準の設定主体であるIASBが、IFRSの開発と見直しに役立てるため。

・財務諸表の作成者が、IFRS適用に際して役立てるため。

・財務諸表の監査人が、財務諸表のIFRS準拠性についての監査判断に役立てるため。

 

原則主義(プリンシパルベース)に基づくIFRSでは、詳細な規定がない場合にフレームワークの考え方に基づく処理と行う必要があるなど、会計基準の開発者だけでなく財務諸表の作成者、監査人においても理解しておく必要があります。

 

ただし、概念フレームワークは、それ自体は会計基準であるIFRSではないので特定の国際会計基準に優先して適用するものではないと明示されています(fw2)。

 

また、IASBは概念フレームワークとIFRSに一部整合しない点があることを認識しており、その場合には、IFRSの規定が概念フレームワークの規定を優先する旨も明示されています(fw3)。

2.内容

概念フレームワークは下記内容を規定しています(fw 5)。

 

・財務諸表の目的

・基礎となる前提

・財務諸表における情報の有用性を決定する質的特性

・財務諸表を構成する要素の定義、認識および測定

・資本および資本維持の概念

3.財務諸表の目的

財務諸表の目的は、広範な利用者が経済的意思決定を行うにあたり、企業の財政状態、業績および財政状態の変動に関する有用な情報を提供することあります(fw 12)。

4.基礎となる前提

概念フレームワークでは、財務諸表の作成の前提として「発生主義」と「継続企業」を挙げています。

 

・発生主義(Accrual basis)

発生主義の下では、取引その他の事象の影響は、その発生時(現金または現金同等物の受渡時ではなく)認識され、会計帳簿に記録され、それらが帰属する期間の財務諸表に計上されます。したがって、発生主義に基づいて作成される財務諸表は、利用者に対して、現金の収支を伴う過去の取引だけでなく、将来に現金を支払う債務と将来の現金受領をもたらす資源についての情報を提供するため、過去の取引その他の事象について、経済的意思決定を行う利用者にとって最も有用な種類の情報を提供します。

 

・継続企業(Going concern)

財務諸表は、通常、企業が継続企業である、すなわち予見し得る将来にわたって事業活動を継続するであろう、という前提に基づいて作成されます。したがって。清算や事業規模の大幅な縮小の意図または必要性が存在する場合には、財務諸表は、異なる基礎に基づいて作成されなければなりません。

5.質的特性

上記財務諸表目的を達成するために財務諸表が提供する情報は、主として下記4つの質的特性を備える必要があります(fw24)。

 

@ 理解可能性(Understandability)

 財務諸表が提供する情報の重要な特性は、その情報が利用者にとって理解しやすいことです(fw25)。

 

A 目的適合性(Relevance)

 有用な情報であるためには、利用者の意思決定のためのニーズに目的適合性のものでなければなりません(fw26)。

 

B 信頼性(Reliability)

 有用な情報であるためには、それが信頼できるものでなければなりません(fw31)。

 

C 比較可能性(Comparability)

利用者は、企業の財政状態および業績の趨勢を明らかにするために、各期を通じて企業の財務諸表を比較できなければなりません。また、利用者は異なる企業の財政状態、業績および財政状態の変動を評価するために、これらの財務諸表を比較できなければなりません(fw39)。

上記以外にも副次的な質的特性として「重要性(Materiality)」、「表現の忠実性(Faithful representation)」、「実質優先主義(Substance over form)」、「中立性(Neutrality)」、「慎重性(Prudence)」、「完全性(Completeness)」などを挙げています。

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