株式会社インターナレッジ・パートナーズ IKP税理士法人

2012/03/27 オリエンタルランド株 10年ぶり高値 収益上振れ期待

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

今日は、日経朝刊17面のオリエンタルランドの記事からです。

 

【記事要約】


・オリエンタルランド株が26日一時8,930円まで上昇し、2002年5月以来およそ10年ぶりの高値をつけた。東京ディズニーランドなどのテーマパークが好調で収益の上振れ期待が出ているうえ、期末配当や入園券が手に入る株主優待を狙う買いも入った。

・東日本大震災で打撃を受けたものの、2012年3月期以降、入園者が回復。純利益は前期比29%増の295億円と過去最高の見通しで「1月以降も入園ペースが好調なため、利益が一段と増える余地がある」との見方が出ている。

(2012年3月27日日本経済新聞より)


 

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド。

昨年の東日本大震災では、施設の損傷や電力不足の問題などから休業を余議なくされ、2012年3月期の第1Q(2011年6月期)では営業赤字に転落するまで業績が悪化しました。

しかし、その後入園者が回復。ふたを開けてみたら2012年3月期は過去最高益の見通しというニュースでした。

 

以下、オリエンタルランドの業績を見てみます。

 

<オリエンタルランド 財務情報ハイライト>

 

■ オリエンタルランド_過去4期分年度財務情報.pdf(当社財務データベース)

■ オリエンタルランド_四半期財務情報(2011年3月期~2012年3月期).pdf(当社財務データベース)

 

 

<オリエンタルランド 10年間売上高および営業利益推移>

 

特に、2009年3月期は東京ディズニーリゾート25thアニバーサリーが好調かつ東京ディズニーリゾートホテル、シルクドゥソレイユシアター東京がオープンなどに伴い売上高は増加しています。

ただし、後のセグメント別業績をご覧いただければわかりますが、利益のほとんどはテーマパーク事業で稼いでいます。 あくまで他のコンテンツとの相乗効果でテーマパークへ入場者を増やし、利益を稼ぐ利益構造といったところでしょうか。

 

また、今回の記事のとおり東日本大震災で2012年3月期第1Qは営業赤字を計上したにもかかわらず、2012年3月期は営業利益は過去最高の600億円を見込んでします。

 

さらにセグメント別の業績内容を見てみます。

 

<オリエンタルランド セグメント別売上高構成>

 
 (上記図はオリエンタルランドHPより) 

 

 

<オリエンタルランド セグメント別売上高> 

 

※ 12/3(第3Q)は9カ月分の累積 

 

特にテーマパーク事業が好調です。第3Qの段階で営業利益は前期の通年分を上回っていますね。

また、前期と当期の四半期ごとのセグメント別の会計期間ごとの損益推移をグラフ化してみました。今期の第1Qは全セグメント赤字に転落していますが、第2Q、第3Qで大きく挽回しています。

 

 

今回は言及していませんが施設にかかわる減価償却費の負担もここ数年減少しており、営業利益を大きく押し上げる要因になっています。

当面は固定費の減少も寄与し業績は右肩上がりが予想されます

 

不況も重なりテーマパークの苦戦が続く中、一人勝ちだったディズニーリゾート。しかも震災の影響を受けながらも今期過去最高益ですから、改めてその強さを認識させられるニュースでした。

前へ  次へ

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

お問い合わせ

PAGETOP