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2012/03/19 ヤフー、示唆に富む社長交代

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今日は、日経朝刊11面の「経営の視点」の記事の話題から。

 

<2012年3月19日 日経朝刊11面 記事要約>


・日本を代表する技術企業であるソニー、パナソニック、シャープで今春、一斉に50歳代の新社長が就任する。ソニーとパナソニックは創業者を除くと史上最年少トップ。デジタル化とソフト化という電機産業のパラダイム転換にうまく対応できていない現実にようやく直視した結果といえる。

・インターネットの世界では、ネットの入り口をポータルからSNSにする人が急増し、電機業界がが若返りと呼ぶ50歳代でも、この変化についていくのが難しいようだ。ヤフーは4月1日、好業績にもかかわらず55歳の井上氏が44歳の宮坂氏に社長のバトンを渡す。

・井上氏は、利用者が急増するSNSを「交換日記」とやゆし積極的に使おうとしなかった。交流サイトの存在意義がよく理解できなかったのだ。

・現場に出遅れた焦りから、「デイズ」と「CU」を立ち上げるも、CUは09年秋、ヂエズも昨秋にひっそりと閉じた。

・パソコン向けウェブの世界で圧倒的な存在感を築いたものの、ソーシャルやモバイルの世界にはない。

・ソーシャルもモバイルも自ら使いこなしてみないと消費者の感覚、ニーズは想像するできない。

・これはネット企業ばかりの課題ではなく、消費者向け事業を手掛ける企業ならどこでも、ソーシャルの世界で消費者と情報交換のパイプを直接築き、ブランドイメージや製品の人を形成する必要に直面している。「企業のメディア化が進んでいる」(徳力基彦アジャイルメディア・ネットワーク社長)。


<要約記事はここまで>

 

ヤフーの社長交代のニュースは、驚きのニュースとなっていましたが、40代の社長でやっと「若返り」というのは何ともネットの世界っぽいですね。

 

2012年3月1日ヤフー公表「新執行体制への移行および代表取締役の異動に関するお知らせ」

【リソース】ヤフーHPより

◆ヤフーの業績

ヤフーの最近の業績は以下のとおりです。

 

<セグメント別の売上高推移>

※セグメントの説明

広告(メディア)事業

・リスティング広告(広告会社経由)

・ディスプレイ広告

ビジネスサービス事業

・リスティング広告(オンライン経由)

・「Yahoo!不動産」「Yahoo!リクナビ」「Yahoo!自動車」等の情報掲載料

・データセンター関連売上

・「Yahoo!ウェブホスティング」「Yahoo!トラベル」等の売上 等

パーソナルサービス事業

・「Yahoo!オークション」のテナント料・手数料およびシステム利用料

・「Yahoo!ショッピング」のテナント料・手数料

・「Yahoo!プレミアム」の売上

・コンテンツ料金、「Yahoo!BB」のISP料金 等

 

<営業利益・最終損益・売上高営業利益率の推移>

 

素晴らしい業績を出しています。

最近では、コンシューマー事業で、スマホ普及に伴うショッピング売上の上昇やゲーム関連の売上が伸びているようです。

 

直近の四半期推移をみてみましょう。

 

第1四半期

(累積)

第2四半期

(累積)

第3四半期

(累積)

2012年3月期

(業績予想)

売上高 71,879 145,641 222,181 299,781~304,581
営業利益 38,833 79,394 121,200 163,300~166,600
経常利益 39,295 80,307  122,690 165,290~168,590

当期純利益

(四半期純利益)

23,311  47,576  72,954 97,154~99,154
売上高進捗率 23.9% 48.5% 74.1%

※売上高進捗率は、業績予想299,781百万円を用いて計算しています。

 

進捗率を見ても順調そうですね。

当社DBも参考に添付しておきます。

 

ヤフー年度財務情報.pdf

ヤフー四半期財務情報.pdf

【リソース】IKP財務データベース

 

このような決算状況にあるにもかかわらず、井上氏から宮坂氏への社長交代となりました。

業界の潮流に乗れなければ業績が傾いていくことは間違いありません。

今のネットのキーワードは「ソーシャル」と「モバイル」です。

記事にもあるように、確かにヤフーがこの分野に名をはせているとは言えません。

 

こうした流れの中で、井上氏は「世代交代」という形で、この流れにヤフーが追随できるようにしたのは流石と言えるでしょう。

ソフトバンクの孫氏との不仲説などもありますが、1人の経営者としては、業績好調の中で、ナカナカ勇気のある判断だったのではないかと思います。

バトンを引き継いだ宮坂氏がどのように今後展開できるかがポイントと言えるでしょう。

ポータルの代表であるGoogleもいろいろな試みをしています。

今後のネット業界の動きも注目していきたいですね。

以上

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