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2012/02/17 武田薬品、5新薬投入 収益源多様化

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

今日は、2012年2月17日の日本経済新聞朝刊の「武田薬品工業」の記事を取り上げます。

 

【記事要約】


・武田薬品工業は今後3年間で抗がん剤や精神科向け医薬品5種類を世界で販売。

売上高の4割を占める高血圧や糖尿病など生活習慣病薬は後発薬との競争が激化しているため、市場は限られているが専門性が高く、収益性の見込める医薬品の発売と加速する。

製薬会社の生活習慣病薬への依存からの脱却は世界的な潮流。高脂血症薬が主力のファイザーは抗がん剤やアルツハイマー薬を集中投入。高血圧薬を主体とするスイスのノバルティスは抗がん剤や脳神経分野の医薬品の開発を急ぐ。武田も収益構造の転換を急ぐ

・2012年度中に欧州でリンパ種の治療薬、13年度をめどに日米で抗うつ剤、15年度までに前立腺がん、多発性骨髄腫、統合失調症の治療薬を販売予定。5製品合計の売上高は2千億~3千億の見通し

・研究開発でも"がん"と"精神科向け"を重点分野と位置付ける


 

医薬品業界については、過去のビズブロで「2010年問題」も踏まえ取り上げましたね。

 

2012/01/17 エーザイ 欧米で抗てんかん薬来年度発売

 

ここ20年余り、1990年前後に開発した大型医薬品(ブロックバスター)により収益が支えられてきた医薬品メーカー。しかし、これら多くの医薬品は2010年前後に特許切れするため、新薬の開発およびM&Aなどを積極的に進め次の収益源確保に大手医薬品メーカーは躍起になっている現状とを取り上げました。

 

前回のブログでは主にエーザイにスポットを当てましたが、国内最大手の武田薬品工業も例外ではないようです。

武田薬品工業の2011年3月期の有価証券報告書の情報をもとに医薬品の主要品目が売上高に占める割合をグラフ化してみました。

 

<武田薬品工業 主要品目売上高割合(2011年3月期)>

<参考情報(当社財務データベースより)>

武田薬品工業 年度財務情報(過去4期分).pdf

 

今回の記事のとおり糖尿病治療剤、高血圧治療剤の医薬品で売上高の4割を占めていますね。

 

しかも、前回のビズブロ(2012/01/17 エーザイ 欧米で抗てんかん薬来年度発売)で一覧化していますが、上記グラフの1位:型糖尿病治療剤「ピオグリタゾン(アクトス)」は2011年に、2位:高血圧症治療剤「カンデサルタン(ブロプレス)」は2012年に特許切れするようです。したがって、今後主要分野で後発医薬品(ジェネリック医薬品)との競争も避けられない状況です。

 

同記事によると「武田が01年~10年に世界市場で発売した医療用医薬品(配合剤などを除く)は9製品」。 これに対して今後は3年間に5製品投入する方針ですから、従来にないハイペースだということがわかりますね。 しかも、生活習慣病関連の医薬品からガンや精神科向け医薬品へと収益構造の転換も行うとのこと。

 

前回のエーザイに引き続き、2010年問題に対して医薬品メーカーがどう戦略の舵を切るのか製薬メーカーの動向に注目です。 

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