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2011/10/17 スタートトゥデイ 「ZOZOTOWN」 急成長

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日本経済新聞夕刊(10月11日~14日)スタートトゥデイの前澤社長へのインタービューが掲載されていたので、今日は注目の新興企業「スタートトゥデイ」について取り上げてみます。

 

スタートトゥデイは日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する新興企業。

サイト名の「ZOZO」は想像と創造の下の文字(ZO)をつなげた造語で、想像を創造が行き交う街(タウン)を意味するそうです。

 

スタートトゥデイが運営する「ZOZOTOWN」:http://zozo.jp/

 


前澤社長は早稲田実業高校卒業後、大学に行かずバンドの武者修行のため単身アメリカに渡りそこで世界観が変わったそうです。そして、アメリカ滞在中に音楽CDをたくさん持ち帰り、帰国後CDの通販事業を始めるとともに、インディーズバンドとしても活動していました。その後、紆余曲折の末バンド活動を止め、通販事業も衣料品を取り扱うようになったそのころ、ちょうどネット通販の勃興期。前澤社長はシステム関係の本を読みあさり通販サイトを自分で立ち上げました。

サイト立ち上げから7年、今では日本最大級のファッション通販サイトに成長し、2007年には東証マザーズに上場しています。

(日本経済新聞夕刊(10月11日~14日)より)


 

ECサイト小売りの競合他社といえば、女性誌掲載品の豊富さに特色のある「マガシーク(東証マザーズ)」、雑誌『Look!s』、Web、携帯サイトの3媒体で女性衣料・雑貨通販を行っている「スタイライフ(ジャスダック)」などがあります。

 

マガシークが運営する主なECサイト:http://www.magaseek.com/

スタイライフが運営する主なECサイト:http://www.stylife.co.jp/

 

3社の財務諸表を比較してみると最近のスタートトゥデイの強さがわかります。 下記PDFをご覧下さい。

 

スタートトゥデイ個別財務情報.pdf

マガシーク個別財務情報.pdf

スタイライフ個別財務情報.pdf

3社財務情報比較.pdf

(すべて当社財務DBより)

 

ポイントは下記2点です。

・スタートトゥデイの売上規模の圧倒的大きさ

・スタートトゥデイの売上総利益率、営業利益率等の利益率の圧倒的高さ

 

スタートトゥデイの会員数は、平成23年3月末時点で313万人と3年前の平成20年3月末の顧客会員数81万人から4倍近くの増加を達成しています。ZOZOTOWNとZOZOVILLA合わせての取り扱いショップは248、取り扱いブランドは1555にも上ります(平成23年3月末時点)。

 

一方、マガシークは平成23年3月末で顧客会員数135万人、取り扱いブランド858。スタイライフは、平成22年7月に顧客会員数100万人突破したペースですから、顧客会員数と取り扱いブランドの数が圧倒的であることがわかります(各社の有価証券報告書より)。

 

この差は何か。日本経済新聞(10月15日)は下記点を指摘しています。

 


・「ユナイテッドアローズ」「ポール・スミス」など人気ブランドの新作をいち早く投入し、安売り競争に巻き込まれない戦略が好業績を支えている。

・また、定価販売を可能にしているのが新作投入の早さ。「ZOZOTOWN」では、新作が実際の店頭に並ぶのと同じタイミングで販売される。流行に敏感な若者は「ZOZOTOWN」を訪問すれば、複数のブランドの新作を1つのサイトで比較できる。

・ネットの衣料品通販は実際の店舗で売れ残った商品を値引きして販売するケースが多いが、「ZOZOTOWN」は原則、定価での販売。このため利益率が高い。


 

このほか、商品の返品を受け付けるなど、サイトの使い勝手をよくしたことも功を奏しているようです。1年以内に1回以上買い物をした会員数も増加しているとのことで、リピーターが多いことも強みと言えるでしょう。

 

定価販売が可能なため、値引きを嫌う店舗側も有力ブランドが相次ぎ出店し、取り扱いブランドが増えることにより顧客にとって魅力なサイトとなり、お店と顧客の両者の共感を得るという好循環を実現しています。

 

現在、時価総額・企業価値においても、国内市場ではスタートトゥデイが圧倒的な大きさを誇っていますが、米アマゾンも日本でアパレルに力を入れており、販売店、顧客を巻き込んだ激戦が予想されます。

 

皆さんもECサイトで一度購入してみてはいかがでしょうか? 筆者も今度ECサイトで洋服を購入してみようと思います。

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