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2012/02/15 JPホールディング「幼保一体」へ幼稚園支援

今日は、保育サービスの記事を取り上げます。

 

【記事要点】


・保育サービス大手が、2015年度にも「幼保一体化」が始まることを受けて、幼稚園の運営支援事業に乗り出す。

・最大手のJPホールディングスは「総合こども園」への移行で幼稚園に必要となる給食の受託サービスを開始。幼稚園は保育所と異なり、給食を義務付けられていないため、総合こども園への移行で必要となる同サービスの支援を展開。同社の14年3月期の売上高は11年3月期比約2倍の約20億円を目指す。また、乳幼児向けの遊具や家具の販売も計画する。3歳~小学校就学前までの子供を預かる幼稚園に対し、保育所と総合こども園の一部は0歳児から受け入れる。これまで幼稚園では受け入れの対象外だった0~2歳児に対応するサイズのイスなどを販売した考え。

ポピンズ保育士の派遣・紹介事業に本格参入する。保育士の資格を持ちながら保育所で働いていない人向けの説明会を自治体と合同で開き、研修後に幼稚園に派遣・紹介する。幼稚園は0~2歳児の保育のノウハウがないため、今後は幼稚園からの保育士派遣の要請が増えると見ている。

(日本経済新聞2012年2月15日より)


 

「幼保一体化」とは、厚生労働省が管轄する保育所と、文部科学省が管轄する幼稚園を一体化し、二重行政の解消や待機児童問題の緩和を狙う改革で、保育所と幼稚園の量機能を持つ「総合こども園」の2015年度創設を目指しています。

幼保一体改革により、全国2万3千箇所の認可保育所の大半を3年かけて総合こども園に移行、保育所でも幼児教育を提供できるようにするようです。また、全国に約1万3,000箇所ある幼稚園は、希望する施設のみが総合こども園に移行しますが、保育士や給食などのコストがかさむため、行くに慎重な幼稚園が多いとのこと。ただし、地方では定員割れの幼稚園も増えており、一定数の施設は需要の高い保育機能を併せ持つ意向とみられ、保育サービス大手は支援事業の商機があるとみている、と日本経済新聞は分析しています。

 

保育所と幼稚園の比較表が本日の日本経済新聞でわかりやすくまとめられていたので下記に引用しておきます。

 

【保育所と幼稚園の比較】 

保育所 幼稚園
基本となる法律 児童福祉法  学校教育法 
所管 厚生労働省  文部科学省
施設の内容 児童福祉施設  学校教育施設
対象年齢 0歳から小学校就学前  3歳から小学校就学前
1日の教育・保育時間 8時間を基準 4時間を基準とするが、預かり保育も可能
給食 義務  任意
職員の最低配置人数

0歳児:3人に1人

1~2歳児:6人に1人

3歳児:20人に1人

4~5歳児:30人に1人 

1学級(35人以下)につき1人

(出所:2012年2月15日の日本経済新聞より)

 

また、保育所は大きく分かれて「認可保育所」と「認可外保育所」の2種類に分類されています。「認可保育所」とは、国が定めた認可基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)を満たして都道県知事に認可された施設であり、保育所の運営費は国および自治体から支給されています。一方、「認可外保育所」は、認可保育園以外の施設のことですが、認可外保育所の中には、「準認可保育所」と呼ばれる自治体独自の制度により自治体から補助金が支給される施設があります。

(保育所の解説はJPHDの有価証券報告書より)

 

なお、「厚生労働省によると公的補助がある認可保育所に入所を申請しているにもかかわらず、満員で入所できない待機児童は昨年4月時点で全国に2万5,500人。待機児童の8割を占める3歳未満の保育所利用率は24%にとどまる。」(同記事)とのことですので、待機児童の問題の深刻さおよび総合こども園の創設が急務であることわかります。

 

 

今回の記事で登場した「JPホールディング」と「ポピンズ」。

 

開Pホールディング:http://www.jp-holdings.co.jp/index.html

潟|ピンズ:http://poppins.co.jp/index.html

 

「総合こども園」の新設で自社の保育事業で培ったノウハウを活用し、新たな収益源に育てようする動きが活発化してきたようです。 JPホールディングスは上記の保育所と幼稚園の給食の義務と任意の違いをビジネスチャンスに、ポピンズは幼稚園は3歳からで0~2歳児の保育のノウハウがない点をビジネスチャンスと捉えているようですね。

 

また、保育サービスの分野ではそのほか、子供の森やサクセスアカデミーなどがありますが、JPホールディングス以外はすべて非上場会社です。

 

且q供の森:http://www.kodomonomori.co.jp/

潟Tクセスアカデミー:http://www.success-academy.net/

 

そのため、市場全体の状況をつかむのが難しいですが、最後に上場会社であるJPホールディングスの業績やビジネスを見てみることにします。

  ■ JPホールディングス

 

<当社財務データベース>

JPホールディングス 年度財務情報(過去4期分).pdf

JPホールディングス 四半期財務情報(2012年3月期).pdf(2012年3月期第3Qの決算短信は含まれていない)

JPホールディングス 四半期財務情報(2011年3月期).pdf

  

<5年間の業績推移>

<セグメント>

「子育て支援事業」の単一セグメントで、主に保育所、学童クラブ、児童館の運営が主な事業のようです。

保育所事業は、認可保育園の場合は自治体からの運営費収入を、準認可保育所では、保護者からの保育料と自治体からの補助金収入が主な収益のようです。

 

過去4期間、業績は右肩上がり、今期は売上高100億円、営業利益10億円を突破するようです。

市場が拡大していることが推測できます。

 

 

少子高齢化社会の中、労働人口を増やす方法の一つとして、女性の働く環境を整備し女性の労働人口を増やすことが挙げられると思います。働く女性が増えれば、消費も増えますし所得税や社会保険料も国に落ちますし、もう一人子供をもとうとする家庭が増え、少子化にも歯止めがかかるかもしれません。

幼保一体改革の行方と、保育ビジネスに今後も注視したいと思います。

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