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2012/02/01 リコー、初の最終赤字

今日は、2012年2月1日の日本経済新聞13面のリコーの記事から。

 

【記事要約】 


・精密機器大手の収益が一段と悪化。

リコーは、2012年3月期の連結最終損益が開示以来、初めて赤字になると発表。セイコーエプソンも純利益予想を下方修正し前期比5割減を見込む。欧米景気の減速やタイの洪水などが響き、プリンター事業が法人・個人ともに落ち込む。

・リコーの最終損益は460億円の赤字の見通し。商業印刷機事業で369億円の減損損失が発生することも響く。売上高は2%減の1兆9千億円を見込む。主力市場の欧州は、法人用プリンターが苦戦し、米国も計画割れとなる。タイの洪水も収益を圧迫する。

・富士フィルムホールディングスは法人用プリンターや医療用機器などが落ち込む。

・キャノンも一眼レフカメラが堅調だがプリンターなどの法人事業の採算が悪化。

・コニカミノルタホールディングスは12年3月期の業績予想を維持、純利益は27%減の190億円を見込む。為替レートの見直しで減益となるが、法人用プリンターの堅調や値上げで吸収する考え。


 

リコーが初の最終赤字というニュースでした。

リコーの過去の業績推移(年間)と見てみます。

 

■ リコー年度財務情報 (当社財務DBより)

また、リコーの過去5年間の業績推移をグラフ化すると以下のとおり。(グラフ画像はリコーHPより)

 

<連結売上高推移>

<連結営業利益および営業利益率推移>

 

<当期純利益推移>

<分野別連結売上高推移>

(注)分野の内容

青(画像ソリューション)…MFP(マルチファンクションプリンタ)、プリンタ、複写機、スキャナ、FAX、ジアゾ、印刷機等機器及び関連消耗品・サービス等

緑(ネットワークソリューション)…パソコン・サーバ・ネットワーク関連ソフト・アプリソフト及びサービスサポート等

オレンジ(産業)…半導体、光学機器、計量器、サーマルペーパー、電装ユニット等

ピンク(その他)…ファイナンス、デジタルカメラ、ロジスティクス、他

 

 

リコーの2011年3月期の連結売上高のうち55%が海外売上高(27%が米国、21%が欧州)という海外比重が高く、かつ、その大半が米国と欧州という先進国に依存しています。

 

また、セグメント別売上高でも、プリンタなどの画像ソリューション事業70%以上を占めています。

 

事業の種類別のポートフォリオも販売先地域別のポートフォリオも、1か所にに集中しているビジネスモデルといえます。

最後に今回の記事でも取り上げられました四半期業績を見てみます。

 

■ リコー四半期財務情報(2011.3-2012.3) (当社財務DBより)

■ リコー四半期財務情報(2010.3-2011.3)  (当社財務DBより)

(注意)当社財務DBは四半期報告書ベースのため、2012年3月期の第3Qの決算短信情報は含まれていません。

 

また、決算短信をベースに前年同期比を比較すると以下のとおりです。

(単位は百万円)

 

当社の財務DBからも明らかのように2012年3月期は、第1Qから減収減益、第2Qでは営業赤字に転落、第3Qでも挽回できませんでした。

 

当該決算にもとづく年度の業績予測は下記のとおりとなっています(単位は百万円)。営業損益も赤字という厳しい数値です。

2011.3期(実績) 2012.3期(予想)
売上高  1,942,013 1,900,000
営業利益  60,196 -18,000
当期純利益  19,650  -46,000

近年の製造業で業績が好調の企業の多くは、新興国の成長を取り込めている企業です。

 

同じプリンター事業を抱えるキヤノンなどはデジタルカメラ事業で新興国の成長を取り込めているため、何とか世界不況の影響を分散できている

一方、リコーのように、海外売上高比率が高くても米国や欧米のような先進国への依存が高い企業にとっては試練の時代と言えるでしょう。

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