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2011/11/14 ソニー連合 EMIを分割買収 音楽著作権首位に


ソニーと米投資会社は11日、英音楽大手EMIグループの音楽出版部門を、EMIの株主である米金融大手シティグループから買収することで合意したと発表した。買収総額は22億ドル(約1700億円)。ソニーは音楽出版事業で実質的に世界首位となる。

一方、EMIのレコード事業部門は、仏メディア大手ビベンディと傘下のユニバーサル・ミュージック・グループがシティから買収することを同日発表。ビートルズなどを生み出した名門EMIは分割されることになった。

朝日.com より)

 

投資グループはEMIの音楽出版子会社買収のために新会社を設立。ソニーの米子会社ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ(SCA)は、音楽出版事業の合弁相手であるマイケル・ジャクソン遺産管理財団と共同で約3億2500万ドル出資し、新会社の株式の38%を取得する。

買収後のEMIの音楽出版事業の業務はSCAとマイケル・ジャクソン遺産管理財団が折半出資する音楽出版会社ソニー・ATVミュージック・パブリッシングが請け負う。

ソニーなどは買収により、EMIが保有する130万曲以上の音楽著作権を取得。音楽ソフト事業を一段と強化する。

日本経済新聞Web版 より)


 

11月13日朝刊の日本経済新聞よると、2010円の世界音楽売上高は09年比8.4%減の159億3,300万ドル(約1兆2,270億円)、CD販売は14.2%減と世界市場でも11年連続で減少(国際レコード産業連盟より)という厳しい業界状況の中、EMIは4大メジャーで最も規模が小さく、単独での生き残りの断念を迫られたと格好となったと分析しています。

 

EMI」はビートルズを生みだした名門レコード会社で、「ユニバーサル・ミュージック・グループ」、「ソニー・ミュージックエンタテイメント」、「ワーナー・ミュージック・グループ」を合わせた4大メジャーの一角の一つでした。

 

なお、音楽事業は、主として、CDなどのレコード(音楽ソフト)を制作・販売する事業で”レーベル”などと言われる「レコード事業」と音楽作品(歌詞、歌曲)の著作権管理・開発・プロモーションを行う「音楽出版事業」の2つに分けられます。

ソニーが買収したのは、EMIの「音楽出版事業」です。「レコード事業」は、ユニバーサルミュージックを傘下にもつ仏メディア大手ビベンディが買収しました。ソニーは、EMIの持っているコンテンツを取り込み、ソフト配信事業の拡大に繋げる狙いがあると思われます。

これにより、音楽出版事業ではソニーが、レコード事業ではユニバーサルミュージックが世界首位になる見込みです。

 

しかし、世界的にも音楽関連のマーケットは縮小しているんですね。

 

国内大手の音楽事業の業績推移を過去3期分見てみます。

 

<音楽業界大手の音楽事業の業績> 

  2009年 2010年 2011年

ソニーグループ(ソニーミュージック・エンタテイメントなど) ※1

売上高 387,053 522,616 470,743
営業損益 27,843 36,513 38,927
エイベックスグループ ※1
売上高  ※2 74,859 67,714
営業損益  ※2 6,547 8,026
JVCケンウッドグループ(ビクターエンタテイメントなど) ※3
売上高 30,616 44,933 42,909
営業損益 248 △908 2,177
フジメディアホールディング(ポニーキャニオンなど) ※4
売上高 68,508 62,375 66,932
営業損益 2,250 427 2,768
日本コロンビア
売上高 18,432 18,142 16,446
営業損益 △922 337

882

 

※1 有価証券報告書のセグメント情報にうち音楽事業を集計
※2 旧セグメント方式では集計できず
※3 有価証券報告書エのセグメント情報のうちンタテイメント事業(オーディオ・ビデオソフトなどの企画・製作・販売、CD・DVD(パッケージソフト)の製造、パッケージソフトなどの物流業務等)を集計
※4 有価証券報告書のセグメント情報にうち映像音楽事業(オーディオ・ビデオソフト等の製造販売、音楽著作権管理等)を集計

 

上記情報は音楽事業以外の事業が含まれている会社もあるため一概にはいえませんが、全体的に売上高は減少傾向にあるようです。

ただし、規模の大きいソニーやエイベックスは、利益率は向上していますね。

 

なお、音楽事業専門で上場している2社の財務情報は下記の通りです。

 

エイベックス・グループ・ホールディング株式会社_個社財務情報.pdf

日本コロンビア_個社財務情報.pdf 

さらに国内の音楽市場の業況を見てます。

 

まずは、CD市場の推移です。CDは数量・金額ともに10年前の半分に減少していますね。

これは、楽曲の購入形式がインターネットなどによる有料音楽配信へシフトしてきたことが大きいと思われます。

 

実際、有料音楽配信市場の状況はどうかというと確かに、CD市場の縮小とともに伸びてはいます。

ただし、有料音楽配信でも近年は、成長鈍化が明確ですね。

 
 
 

上記の音楽ディスク生産実績と有料音楽配信売上実績の数値を合計してみると下記のとおりとなります。

国内でも音楽市場全体が縮小しているようです。

 
 

今回のソニーの音楽事業の強化。

ソニーエリクソンの完全子会社化と合わせて、スマートフォン・タブレット端末・パソコン・テレビ4製品に、ひとつのプラットフォームで映画や音楽などのコンテンツを提供し、顧客を囲い込む「4スクリーン戦略」のためのインフラ作りを着々と進めていますね。

ハードの分野で、アップルやサムスン電子に遅れている中、ソフトとハードの融合を実現することによりハード市場の巻き返しを狙うソニー。今後の舵取りに注目です。

 

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