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シリーズ<14> 内部統制報告書の記載内容

1.はじめに

 本シリーズ14では、内部統制報告書の記載内容について解説します。経営者は、シリーズ13までに実施した財務報告に係る内部統制の有効性について評価した結果を、内部統制報告書にて記載し、有価証券報告書に添付して提出することになります。シリーズ12では、この内部統制報告書の記載内容について解説していきます。

2.内部統制報告書の記載内容

 内部統制報告書には、次の事項を記載することとなっています。

 

≪記載内容≫

@ 整備及び運用に関する事項

A 評価の範囲、評価時点及び評価手続

B 評価結果

C 付記事項

 

以下では、順次記載内容を確認します。

(1)整備及び運用に関する事項


 整備及び運用に関する事項としては、次の事項を記載します。

  • 財務報告及び財務報告に係る内部統制に責任を有する者の氏名
  • 経営者が、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の責任を有している旨
  • 財務報告に係る内部統制を整備及び運用する際に準拠した一般に公正妥当と認められる内部統制の枠組み
  • 内部統制の固有の限界

(2)評価の範囲、評価時点及び評価手続


評価の範囲、評価時点及び評価手続に内容として、次の事項を記載します。

  • 財務報告に係る内部統制の評価の範囲(範囲の決定方法及び根拠を含む。)
  • 財務報告に係る内部統制の評価が行われた時点
  • 財務報告に係る内部統制の評価に当たって、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠した旨
  • 財務報告に係る内部統制の評価手続の概要

(3)評価結果


 評価結果として、次のいずれかを表明することになります。

 

≪意見の種類≫

  • 財務報告に係る内部統制は有効である旨
  • 評価手続の一部が実施できなかったが、財務報告に係る内部統制は有効である旨、並びに実施できなかった評価手続及びその理由
  • 重要な欠陥があり、財務報告に係る内部統制は有効でない旨、並びにその重要な欠陥の内容及びそれが是正されない理由
  • 重要な評価手続が実施できなかったため、財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できない旨、並びに実施できなかった評価手続及びその理由

@財務報告に係る内部統制は有効である旨

 内部統制に重要な欠陥が発見されず、評価範囲も限定されないで、内部統制が有効であると判断できたときに表明されるもので、これが一般的に多い評価結果となると考えられます。

 

A評価手続の一部が実施できなかったが、財務報告に係る内部統制は有効である旨、並びに実施できなかった評価手続及びその理由

 期末日付近での合併等の「やむを得ない事情」で評価ができなかった場合に、その一部分は評価手続が実施できなかったが、それ以外の部分については有効である場合に表明することになります。この場合、実施できなかった評価手続及びその理由についても開示する必要があります。

 

B重要な欠陥があり、財務報告に係る内部統制は有効でない旨、並びにその重要な欠陥の内容及びそれが是正されない理由

 重要な欠陥があるため、財務報告に係る内部統制が有効ではないと判断された場合に表明されます。この場合、重要な欠陥の内容とそれが是正されない理由を合わせて記載します。この表明は発見された重要な内部統制が期末日までに是正措置が講じられなかったときに表明されるもので、期末日までに是正されていれば重要な欠陥はなかったとして取り扱われます。

 

C重要な評価手続が実施できなかったため、財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できない旨、並びに実施できなかった評価手続及びその理由

 重要な評価手続が実施できず、財務報告に係る内部統制について全体的に評価できないときに表明する意見となります。この場合、実施できなかった評価手続とその理由を記載することになります。

(4)付記事項


 付記事項として記載すべき事項は、次のとおりです。

  • 財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす後発事象
  • 期末日後に実施した重要な欠陥に対する是正措置等

 内部統制の有効性の評価基準日は、期末日であるため、期末日後の事象(すなわち後発事象)については、評価対象に入りません。しかし、重要な後発事象については、投資家等の利害関係者への注意喚起の意味で、付記事項として記載します。

 また、期末日後に実施した重要な欠陥に対する是正措置等についても、いい意味での後発事象であり、投資家等の利害関係者に対して、重要な欠陥が是正されたことを開示します。

期末日後の重要な欠陥の是正措置は、本来経営者は重要な欠陥ではないと判断していた内部統制の不備が監査人によって重要な欠陥であることを指摘され、これによって決算日後に監査過程を通じて、是正措置が講じられていった場合などに記載される可能性が考えられます。

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