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財政状態計算書における基本的開示事項

(平成23年5月16日現在)

3−1.金融資産と金融負債の分類

 IFRS第9号で特定されている次の分類ごとの帳簿価額を、財政状態計算書か注記において開示しなければなりません(IFRS7.8)。

 

(a)

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(IFRS第9号に従って(i)当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたものと(ii)強制的に公正価値で測定されるものとを区分して示す)

(b)−(d)

〔削 除〕

(e)

純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(IFRS第9号に従って(i)当初認識時に純損益を通じて公正価値で 測定するものとして指定されたものと(ii)トレーディング目的保有の定義に該当するものとを区分して示す)

(f)

償却原価で測定する金融資産
(g) 償却原価で測定する金融負債
(h) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

3−2.公正価値オプションに関連した開示

(A) 金融資産に関連する公正価値オプション関係の開示事項


 企業が、公正価値オプションを適用した場合の金融資産について、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.9)。

 

(a)

当該金融資産(又は金融資産のグループ)の報告期間の末日における信用リスクに対する最大エクスポージャー

(b)

関連するクレジット・デリバティブ又は類似する金融商品が信用リスクに対する当該最大エクスポージャーを軽減する金額

(c)

当期中及び累積の、次のいずれかによって決定される金融資産の信用リスクの変動に起因する金融資産(又は金融資産のグループ)の公正価値の変動額
(i) 市場リスクを生み出す市場条件の変動に起因しない公正価値の変動額
(ii)

企業が当該資産の信用リスクの変動に起因する公正価値の変動額をより忠実に表示すると考える代替的方法の使用

市場リスクを生み出す市場条件の変動には、観察される(ベンチマーク)金利、コモディティ価格、外国為替レート、又は価格若しくはレートの指数の変動が含まれる。

(d)

当期中及び当該金融資産が指定されてからの累積で発生した関連するクレジット・デリバティブ又は類似の金融商品の公正価値における変動額

 

(B) 負債の信用リスクによる変動の影響をその他の包括利益に計上する場合


 企業が公正価値オプションを適用して金融負債を測定し、負債の信用リスクによる変動の影響をその他の包括利益に計上することを要求される場合には、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.10)。

 

(a)

金融負債の信用リスクの変動に起因する当該金融負債の公正価値の、累積的な変動額。

(b)

金融負債の帳簿価額と、企業が満期時に当該債務の保有者に支払うことを契約上要求されるであろう金額との差額

(c)

報告期間における資本内の累積的利得又は損失の振替(そのような振替の理由も含む)

(d)

報告期間中に負債の認識の中止を行う場合、認識の中止において認識されたその他包括利益の計上額。

 

(C) 負債の信用リスクによる変動の影響を純損益に計上する場合


 また、公正価値オプションを適用し金融負債を公正価値で測定し、負債の信用リスクによる変動額を含めてすべてを純損益に計上するように要求されている場合、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.10A)。

 

(a)

報告期間及び累積の、当該負債の信用リスクの変動に起因する金融負債の公正価値の変動額。

(b)

金融負債の帳簿価額と、企業が満期時に当該債務の保有者に支払うことを契約上要求されるであろう金額との差額

 

(D) 公正価値オプションを適用する際の信用リスクの変動による影響の追加的開示 


 企業は、信用リスクの変動による影響について、その測定方法などを開示しなければなりません(IFRS7.11)。

 

(a)

金融資産もしくは金融負債の信用リスクの変動に起因する当該金融資産もしくは金融負債の公正価値の変動額を開示するために用いる方法 (その方法が適切である理由の説明を含む)。

(b)

企業が、財政状態計算書もしくは注記において、金融資産もしくは金融負債の信用リスクの変動に起因する当該金融資産もしくは金融負債の公正価値の変動額の開示が、信用リスクの変動に起因する金融資産又は金融負債の公正価値における変動を忠実に表示していないと考える場合、この結論に到達した理由及び適切であると考える要因

(c)

負債の信用リスクの変動の影響額をその他の包括利益に計上することで、純損益における会計上のミスマッチを生じさせる又は増幅すると判断するために利用された方法論に関する詳細な説明。企業が、負債の信用リスクの変動の影響額を純損益に計上することを要求される場合、IFRS第9号付録で説明されている経済的関連性の詳細な説明も含めて開示しなければならない。

 

3−3.FVTOCI指定した資本性金融商品の開示

 企業が、資本性金融商品に対する投資を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定した場合には、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.11A)。

 

(a)

資本性金融商品に対するどの投資が、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定されたのか。

(b)

この表示の選択肢を使用する理由

(c)

報告期間の末日現在のこのような投資のそれぞれの公正価値

(d)

当期中に認識された配当(当期中に認識の中止が行われた投資に関するものと、報告期間の末日現在で保有している投資に関するものとに区分して表示)

(e)

当期中の資本の中での累積利得又は損失の振替(そのような振替の理由を含む)

 

 また、企業が、報告期間中に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの資本性金融商品に対する投資について、認識の中止を行った場合、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.11B)。

 

(a)

当該投資を処分した理由

(b)

認識の中止の日現在の当該投資の公正価値

(c)

処分時の累積利得又は損失

 

3−4.分類変更に関する開示

 企業が、当報告期間又は過去の報告期間において、金融資産を分類変更した場合には、次の事項を項目ごとに開示しなければらなりません(IFRS7.12B)。

(a)

分類変更の日

(b)

事業モデルの変更の詳細な説明及びそれが企業の財務諸表に与える影響の定性的記述

(c)

各区分へ及び各区分から分類変更された金額

 

 また、分類変更後、認識の中止までの各報告期間について、企業は、償却原価で測定するように分類変更した資産につき次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.12C)。

(a)

分類変更の日において算定された実効金利

(b)

認識された金利収益又は金利費用

 

 さらに、企業が、金融資産を前事業年度から償却原価で測定するように分類変更した場合には、次の事項を開示しなければなりません。

(a)

報告期間の末日現在の当該金融資産の公正価値

(b)

当該金融資産が分類変更されていなかったとした場合に当報告期間中に純損益に認識され ていたであろう公正価値利得又は損失

 

3−5.その他の開示事項(担保、貸倒引当金、複合金融商品、債務不履行)

(A) 担保


 企業は、次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.14)。

(a)

負債又は偶発負債の担保として差し入れている金融資産の帳簿価額(譲渡人が分類変更した金額を含む)

(b)

担保に関する契約条件

 

 企業が、(金融資産又は非金融資産の)担保を保有し、当該担保の所有者の債務不履行がなくても売却又は再担保差入が認められている場合には、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.15)。

(a)

保有している担保の公正価値

(b)

このような担保のうち売却又は再担保差入を行ったものの公正価値、及び企業がそれを返還する義務があるかどうか

(c)

当該担保の使用に関する契約条件

 

(B) 貸倒引当金


 金融資産が貸倒れにより減損し、企業が減損を資産の帳簿価額から直接減少させるのではなく、独立した勘定(例えば、個別の減損を計上するために用いられる引当金勘定又は資産の全体的な減損を計上するために用いられる類似の勘定)で計上する場合には、企業は金融資産の種類別に当期中の当該勘定の変動の調整表を開示しなければなりません(IFRS7.16)。

 

(C) 複数の組込デリバティブを含んだ複合金融商品


 企業が負債部分と資本部分の両方を含んだ金融商品(すなわち複合金融商品)を発行していて、当該金融商品が、価値が相互に依存している複数の組込デリバティブを含んでいる場合(繰上償還可能な転換負債性商品など)には、企業は、それらの特性の存在を開示しなければなりません(IFRS7.17)。

 

(D) 債務不履行及び契約違反


 報告期間の末日現在で認識されている借入金について、企業は次の事項を開示しなければなりません(IFRS7.18)。

(a)

当該借入金の元本、利息、減債基金又は償還条件に関する当期中の契約違反の詳細

(b)

報告期間の末日現在で債務不履行となっている借入金の帳簿価額

(c)

財務諸表の公表が承認される以前に、債務不履行が解消されたか又は当該借入金の条件が再交渉されたかどうか

 

 当期中に、上記以外の借入契約条件の違反がある場合で、それらの違反により、貸手が即時返済の請求ができるようになっている場合(報告期間の末日以前において、契約違反が解消されたか又は当該借入金の条件の再交渉が行われた場合は除く)には、上記で求められているのと同様の情報を開示しなければなりません(IFRS7.19)。

 

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