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金融商品会計基準における適用範囲

(平成23年1月31日現在)

1.金融商品会計基準の適用範囲

 金融商品会計基準の適用範囲は、基本的に金融商品に対するものです。ただし、他のIFRS基準に詳細に規定されているものがある場合には金融商品会計基準の適用範囲から除外されたり、金融商品ではなくてもコモディティ契約などで金融商品会計基準の適用範囲に含める場合があります。

 また、IAS第32号、IAS第39号、IFRS第7号、IFRS第9号でそれぞれ適用範囲が若干異なっています。以下の表は簡単に適用範囲を示したものです。

 

項    目

IAS

第32号

IFRS

第7号

IFRS

第9号

(IAS第39号)

IAS第27号、IAS第28号及びIAS第31号により会計処理される子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分 × × ×
IAS第27号、IAS第28号及びIAS第31号の規定により、IFRS第9号にしたがって会計処理することを選択している持分
子会社、関連会社又はジョイント・ベンチャーに対する持分に係るデリバティブ(当該デリバティブがIAS第32号において企業の資本性金融商品の定義に該当する場合を除く)
IAS第17号を適用するリースに対する権利や義務 ×
リース債権及びリース債務 認識の中止を適用
リース債権 減損を適用
リースに組み込まれたデリバティブ 組込デリバティブを適用
IAS第19号を適用する従業員給付制度における事業主の権利及び義務 × ×  × 
報告企業が発行した資本性金融商品(IAS第32号の定義)(いわゆる自己株式) × 
IFRS第4号を適用する保険契約における権利及び義務 ×  × ×
IFRS第9号に定義する金融保証契約に該当する保険契約(ただし、IFRS第4号を適用することを選択した場合は除く)
IFRS第4号の適用範囲である契約に組み込まれたデリバティブ(ただし、デリバティブそのものがIFRS第4号の適用範囲の場合を除く)
将来の取得日において企業結合となる、取得企業と売却側株主との間で被取得企業を購入又は売却する先渡契約。 ×
企業が純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に指定したローン・コミットメント
現金又は他の金融商品の引渡し又は発行での純額決済が可能なローン・コミットメント
市場金利を下回る金利でローンを提供するコミットメント
上記3つのローン・コミットメント以外のローン・コミットメント ×
IFRS第2号「株式報酬」を適用する株式報酬取引による金融商品、契約及び義務(ただし、本基準を適用する契約は除く。) ×  ×  ×
IAS第37号に従って引当金として認識される負債を決済するために必要とされる支出、又は、以前の期にIAS第37号に従って引当金を認識していた支出に対する権利  ×
現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済できる非金融商品項目の売買契約(ただし、企業の予想される購入、販売又は使用の必要に従った非金融商品項目の受取り又は引渡しの目的で締結され、引き続きその目的で保有されている契約は除く) ○ 

2.非金融商品項目の売買等の適用範囲の詳細検討

 非金融商品項目の売買契約は、現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済できるものが金融商品会計基準の適用範囲となり、企業の予想される購入、販売又は使用の必要に従ったものは除かれます。

 非金融商品の売買契約を、現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済する方法には、さまざまなものがあります。その中には、次のようなものが含まれます(IAS39.6前段、IAS32.9)。

(a)

契約条件で、いずれかの当事者が現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済することを認めている場合

(b) 現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済できることが、契約条件には明示されていないが、企業が類似の契約を現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済する慣行を有している場合(相手方との交換によるか、相殺する契約の締結によるか、行使又は期限満了前の売却によるかを問わず)
(c) 同様の契約について、短期的変動による利益又は販売業者としてのマージンを生み出す目的で、基礎商品の引渡しを受けて、引渡し後短期間で売却する慣行を企業が有している場合
(d) 当該契約の対象となっている非金融商品項目が容易に換金できる場合

 

 非金融商品項目の売買契約等が金融商品会計基準の適用範囲に含まれるか否かは、「企業の予想される購入、販売又は使用の必要に従ったものか否か」がポイントです。例えば、スーパーなどの小売店が消費者のために商品(非金融商品項目)を仕入れ、消費者に販売しているような場合には、「企業の予想される購入、販売又は使用の必要に従ったもの」と判断できるため、金融商品会計基準が適用されることはありません。

 

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