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IAS第38号「無形資産」(認識後の測定 3/3)

(平成22年12月31日現在)

15.認識後の測定 −再評価モデル−

「再評価モデル」とは、無形資産項目を、再評価日における公正価値から、その後の減価償却累計額およびその後の減損損失累計額を控除した評価額で計上する方法をいいます(IAS38.75)。

 

再評価モデルにおける公正価値は、活発な市場を参照して決定しなければなりません(IAS38.75)。

 

活発な市場(active market)」とは、次のすべての状況が存在する市場をいいます(IAS38.8)。

・市場内で取引される物品は同質である

・自発的な買い手と売り手を通常いつでも見つけることができる

・価格が公表されている

ただし、無形資産について、上記の特徴のある活発な市場が存在することは、通常考えにくく、また、あったとしても価格は一般的に利用可能でない場合が多いとIAS第38号は言及ています(IAS38.78)。

 

なお、再評価モデルでは下記事項が禁止されています(IAS38.76)。

・従来資産として認識されていなかった無形資産の再評価

・取得原価以外の金額による無形資産の当初認識

 

 <評価頻度>


再評価は、報告期間の末日における当該資産の帳簿価額が、公正価値を大きく異ならないよう十分な規則性をもって行わなければなりません。(IAS38.75) 

そのため、公正価値が大幅かつ不安定に変動する可能性のある無形資産は、各年度で再評価する必要ある一方、公正価値の変動があまりなく大きくない無形資産については、そのような頻度で再評価する必要はありません。(IAS38.79)

 

<活発な市場が存在しない場合、活発な市場の参照が不可能となった場合>


再評価された無形資産と同じ種類の無形資産が、当該資産に活発な市場が存在しないため再評価できない場合には、当該資産は、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額(原価モデル)で計上します(IAS38.81)。

 

また、再評価された無形資産の公正価値を活発な市場を参照して決定することがもはや不可能になった場合には、当該資産の帳簿価額は、活発な市場を参照した最後の再評価日における資産の再評価額から、その日以降の償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で計上します。(IAS38.82)

 

<評価差額の会計処理>


●帳簿価額<再評価額の場合

資産の帳簿価額が再評価の結果、増加する場合、その増加額はその他の包括利益として認識するとともに、再評価剰余金として資本項目に累積計上します。ただし、再評価による増加額は、過去に同一資産で費用として認識していた場合は、当該費用を戻し入れる範囲では収益認識します(IAS38.85)。

 

●帳簿価額>再評価額の場合

資産の帳簿価額が再評価の結果、減少する場合、その減少額を費用として認識します。ただし、再評価による減少額は、過去に同一資産で再評価差額金として計上していた場合は、当該金額の範囲でその他の包括利益として認識するとともに再評価差額金を減少させる処理を行います(IAS38.86)。

 

上記再評価差額金は、資産の認識の中止を行ったときに、利益剰余金に直接振り替えます。また、資産の再評価後の帳簿価額に基づく減価償却費と当初の取得原価に基づく減価償却費との差額も再評価差額金から利益剰余金へ直接振替えられます(リサイクリングの禁止)。(IAS38.87)

 

<再評価による減価償却累計額の修正方法>


再評価モデルを採用した場合、再評価実施日の減価償却累計額は、次のいずれかの方法により修正処理されます。(IAS38.80)

 

@ 評価後の資産の帳簿価額が再評価額と等しくなるように、資産の減価償却累計額控除前の帳簿価額の変動に比例して再表示する方法
A 減価償却累計額控除前の帳簿価額と相殺消去し、その正味価額の再評価額に修正する方法

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