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IAS第38号「無形資産」(認識・当初の測定 1/4)

(平成22年12月31日現在)

4.認識・当初の測定 −総論−

<認識>


無形資産を取得するか、または無形資産を内部で生成するための、当初生じた原価およびその後の追加・取替・サービスのために生じた原価について、下記要件を満たす場合、無形資産として認識しなければなりません(IAS38.18,21)。

 

 @ 無形資産の定義に当てはまる

 A 下記の認識規準を充足する

 ・無形資産に起因する、期待される将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高い(蓋然性要件)

 ・無形資産の取得原価を、信頼性もって測定することができる(測定の信頼性要件)

 

なお、将来の経済的便益の蓋然性を検討するにあたっては、無形資産の耐用年数にわたって存在するであろう一連の経済状況に関する経営者の最善の見積りを表す合理的で支持し得る前提を基礎として行う必要があります(IAS38.22)。

 

−事後的な支出−

一般的に無形資産の性質は、追加を要しないか、または交換を要しない資産です。したがって、ほとんどの事後的な支出は、無形資産の定義および認識規準を満たさず、すでにある無形資産に包含される、将来の経済的便益の維持のためのものであることが多いと考えられます。また、事後的な支出を、特定の無形資産に対して直接配分することは通常困難です。

したがって、事後的な支出(取得した無形資産の当初認識後に生じた支出または自己創設無形資産の完成後に生じた支出)を資産として認識することは稀だと考えられます。

ブランド、新聞の名称、出版物のタイトル、顧客リストおよび実質的および実質的にそれらに類似した項目に対する事後的な支出も、当該支出が事業全体を開発するための支出から区分することができないため、外部から取得したか内部で創設したかにかかわらず発生時に費用認識されます。(IAS38.20)

 

 

<測定>


無形資産の当初測定は、取得原価でおこないます(IAS38.24)。

 

 

IAS第38号では、下記のような取引形態に応じて無形資産の認識・測定について詳細に取り扱っています。

 

 ● 個別に取得した場合

 ● 企業結合の一部として取得した場合

 ● その他の方法(政府の補助金や交換)で取得した場合

 ● 自己創設のれん

 ● 自己創設無形資産

 

内容は、以降で解説します。

5.認識・当初の測定 −個別に取得した場合−

通常、無形資産の個別に取得するために企業が支払う価格は、経済的便益が企業に流入する期待を反映しており、また取得原価は通常、信頼性をもって測定できると考えられるため、企業が無形資産を個別に取得する場合は、認識規準を通常は満たしていると考えられます。(IAS38.25,26)

 

<取得原価> 


上記認識規準を充足した個別に取得した無形資産は、下記内容で構成された取得原価で測定されます(IAS38.27)。

 ・値引、割戻後の購入価格(輸入関税や還元されない購入税を含む)

 ・意図する利用のために資産を準備するために直接付随原価

 

下記のような無形資産を構成しない支出は、取得原価には含まれません(IAS38.29)。

 ・新製品またはサービスを導入するための原価(広告・販売促進活動の原価を含む)

 ・新たな地域における又は新たな顧客層に関わる事業を行うための原価(職員の訓練のための原価を含む)

 ・管理費および全般的な管理費

 

個別に無形資産を取得した場合、経営者が意図する方法により操業可能となるための必要な条件が整った時点で原価の認識を中止します。

そのため、下記のような原価は無形資産の取得原価に含まれません。(IAS38.30)

 ・無形資産が、経営者が意図する方法により操業可能であるが、いまだ利用までに至っていない間に生じた原価

 ・無形資産の産出物に対する需要が構築される間に生じた損失など、当初の営業損失

 

また、無形資産に対するする支払が正常な信用供与期間を超えて延期される場合には、取得原価は現金価格相当額とし、当該金額と支払金額との差額については、IAS第23号「借入費用」に従って資産化している場合を除き、信用供与期間にわたって利息費用として認識します(IAS38.32)。

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