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IAS第1号「財務諸表の表示」(3/5)

(平成22年7月31日現在)

7.財政状態計算書

<財政状態計算書に表示すべき情報>

少なくとも次の金額を表す項目を掲記しなければなりません。

 

@ 有形固定資産
A 投資不動産
B 無形資産
C 金融資産(DGHで示される金額を除く)
D  持分法で会計処理されている投資
E  生物資産
F  棚卸資産
G  売掛金及びその他の債権
H  現金及び現金同等物
I  IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産および非継続事業」に従って売却目的保有に分類される資産と売却目的に分類される処分グループに含まれる資産の総額
J  買掛金及びその他の未払金
K  引当金
L  金融債務(JKで示される金額を除く)
M  IAS第12号「法人所得税」に基づく当期税金の対象となる負債及び資産(未払法人税等や未収法人税等)
N  IAS第12号に基づく繰延税金負債及び繰延税金資産
O  IFRS第5号に従って売却目的保有に分類される処分グループに含まれる負債
P  資本に表示される非支配持分
Q  親会社の所有者に帰属する発行済資本金及び剰余金

 

企業の財政状態を理解するために必要な場合、追加的な表示項目見出しおよび小計を財政状態計算書上に表示しなければなりません。(IAS1.55)

企業が流動・非流動資産および流動・非流動負債を財政状態計算書上に別個の分類として表示する場合、繰延税金資産(負債)については流動資産(負債)として分類してはいけません。(IAS1.56)

 

また、上記内容は、企業が項目を表示する順序や様式を定めるものではありません。あくまで性質または機能が大きく異なっているために財政状態計算書の本体上で別個に表示するのが当然な項目や個別に表示することが企業の財政状態を理解するのに目的適合的となる場合の項目のリストを示したものにすぎません。そのため、項目又は類似の項目の合算の表記及び記載順序は、その企業の財政状態を理解するのみ目的適合的となる情報を提供するために、企業及びその取引の性質に従って修正することができます。(IAS1.57)

 

なお、追加の項目を別個に表示するか、類似項目に合算するか否かは、「資産の内容及び流動性」、「企業内における資産の機能」、「負債の金額、内容及返済時期」を検討して判断しなければなりません。(IAS1.58)

例えば、IAS第16号に従って有形固定資産を異なる種類ごとに取得原価又は再評価金額で計上している場合などのように資産の種類に応じて異なる測定方法を使用することは、資産の本質や機能が異なっていること示唆しているため、企業はそれらを区分して表示することになります。(IAS1.59)

 

<流動・非流動の区分>

企業は、財政状態計算書で、流動資産と非流動資産、流動負債と非流動負債を、別々の区分として表示しなければなりません。

ただし、流動性配列表示の方が、目的適合的な情報を提供する例外的な場合には、企業はすべての資産および負債を流動性の順序に従って表示しなければなりません。金融機関などの一定の企業は、明確に識別可能な営業循環期間の中で商品・サービスを適用していないため、流動性の昇順または降順による資産や負債の表示は、流動・非流動別の表示に比べて信頼でき、目的適合的となる情報を提供します。(IAS1.60)

 

また、信頼でき、かつ、より目的適合的な情報を提供できる場合には、一部の資産と負債については流動・非流動の区分を、その他については流動性配列表示するなど両社の混合方式を採用することもできます。(IAS1.64)

 

どちらの表示方法を採用したとしても、企業は次の2つが混在する各資産および負債の表示項目ごとに、12カ月より後に回収又は決済される予定の金額を開示しなければなりません。(IAS1.61)

・報告期間後12カ月以内に回収または決済される予定の金額

・報告期間後12カ月より後に回収または決済される予定の金額

 

<流動資産>

企業は次の場合に、資産を流動資産に分類しなければなりません。

 

・企業が、企業の正常営業循環期間において、当該資産を実現させる予定であるかまたは販売もしくは消費することを意図している場合

・企業が、主として売却目的で当該資産を保有している場合

・企業が、報告期間後12カ月以内に当該資産を実現させる予定である場合

・当該資産が現金または現金同等物(IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」に定義)である場合

(ただし、当該資産を交換することまたは負債を決済するために使用することが、報告期間後少なくとも12カ月にわたり制限されている場合を除く)

 

企業はこれら以外の資産を、すべて非流動資産として分類しなければなりません。(IAS1.66)

 

<流動負債>

企業は次の場合に、負債を流動負債に分類しなければなりません。(IAS1.69) 

 

・企業が、当該負債を企業の正常営業循環基準について決済する予定である場合

・企業が、主に売買目的で当該負債を保有している場合

・当該負債が報告期間後12カ月以内に決済されることになっている場合

・企業が、負債の決済を報告期間後少なくとも12カ月にわたり繰り延べることのできる無条件の権利を有していない場合

 

企業はこれら以外の負債を、すべて非流動負債に分類しなければなりません。

 

<財政状態計算書または注記のいずれかに表示すべき情報>

−財政状態計算書項目の内訳開示−

企業は、財政状態計算書または注記のいずれかで、企業の営業活動について適切と思われる方法で分類された各表示項目のより詳細な内訳を開示しなければなりません。(IAS1.77)

 

表示項目の内訳をどの程度詳細に示すかは、IFRSの定め並びに関係する金額の大きさ、内容、機能に左右されます。また、上記で述べた表示項目を追加の項目として別個に表示するか、類似項目に合算するか否かの考慮事項も表示項目の内訳をどの程度詳細に示すかの判断基準として考慮しなければなりません。

例えば、下記のような分類が考えられます。

有形固定資産 IAS第16号「有形固定資産」に従って、各々の種類に分類する。
債権金額 取引先に対する売掛金、関連当事者からの債権、前払金、その他の金額に分類する。
棚卸資産 IAS第2号「棚卸資産」に従って、商品、製造用貯蔵品、原材料、仕掛品、製品などに分類する。
引当金 従業員給付及びその他の項目の引当金に分類される。
払込資本及び剰余金 資本金、資本剰余金、剰余金などの区分に分類される。

 

ー資本項目の開示ー

また、企業は財政状態計算書、所有者持分変動計算書または注記のいずれかで資本に関する次の事項を開示しなければなりません。(IAS1.79)

 

@ 株式資本の種類ごとに
(i) 授権株式数
(ii)  全額払込済みの発行済株式数および未払込額のある発行済株式数
(iii) 1株当たりの額面金額または無額面である旨
(iv) 発行済株式総数の期中における変動内訳
(v) その種類の株式に付されている権利、優先権および制限(配当支払および資本の払戻しの制限を含む)
(vi) 自己株式および子会社または関連会社保有の自己株式
(vii)オプション契約による発行に向けての留保株式および売渡契約のための留保株式及びそれらについての契約条件、金額等
A 資本に含まれる各種剰余金の内容および目的

なお、パートナーシップや信託などのように株式資本のない企業では、上記@で要求された情報に相当する情報を、資本持分の項目ごとに期中の変動並びに資本持分の各項目に付随している権利、優先権および制限とともに表示し、開示しなければなりません。(IAS1.80)

 

さらに、企業が以下のものについて金融負債から資本へ分類変更した場合には、その金額、時期および理由を開示しなければなりません(IAS1.80A)

・資本性金融商品に分類されるプッタブル金融商品

・清算時にのみ企業の純資産に対する比例的な取り分を他の当事者に引き渡す義務を企業に課す金融商品で、資本性金融商品に分類されているもの

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