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IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」(3/3)

(平成23年1月31日現在)

11.表示及び開示 −基本原則−

企業は、財務諸表の利用者が、非継続事業及び非流動資産(又は処分グループ)の処分による財務上の影響を評価できるような情報を表示及び開示しなければなりません。(IFRS5.30)

 

<非継続事業の定義>

非継続事業とは、すでに処分されたか又は売却目的保有に分類されている企業の構成単位で、次のいずれかに該当するものです。(IFRS5.32)

 ・ 独立の主要な事業分野又は営業地域を表す。

 ・ 独立の主要な事業分野又は営業地域を処分する、統一された計画の一部である。

 ・ 転売のみのために取得した子会社である。

 

企業の構成単位とは、企業の他の部分から営業上及び財務報告目的上明確に区別できる事業及びキャッシュ・フローをいいます。言い換えると、企業の構成単位は、使用目的で保有されている間は、単一の資金生成単位、又は資金生成単位のグループとなります。(IFRS5.31)

12.表示及び開示 −非継続事業−

<開示事項>

企業は、次の事項を開示しなければなりません。(IFRS5.33)

 @ 包括利益計算書上の、次の合計額からなる単一の金額 

 (i)非継続事業の税引後損益 

 (ii)非継続事業を構成する資産又は処分グループを、売却費用控除後の公正価値で測定したこと又は処分したことにより認識した税引後の利得又は損失

 

 A @の単一の金額の下記内訳 

 (i)非継続事業の収益、費用、及び税引前損益

 (ii)関連する税金費用

 (iii)非継続事業を構成する資産又は処分グループを、売却費用控除後の公正価値で測定したこと又は処分したことにより認識した利得又は損失

内訳は、注記又は包括利益計算書のいずれに表示しても構いません。包括利益計算書で表示する場合には、非継続事業に関連するものとして識別される区分で表示しなければなりません。ただし、取得時に売却目的保有に分類する要件を満たしている、新規に取得した子会社が処分グループである場合には、内訳は必要ありません。

 

 B 非継続事業の営業活動、投資活動、財務活動に帰属する、正味のキャッシュ・フロー

この開示は、注記又は財務諸表本体のいずれに表示しても構いません。取得時に売却目的保有に分類する要件を満たす新規に取得された子会社が処分グループである場合には、この開示は必要ありません。

 

 C 親会社の所有者に帰属する継続企業及び非継続事業からの利益

これらの開示は、注記又は包括利益計算書のいずれに表示しても構いません。

 

企業が純損益の構成要素をIAS第1号に基づき2計算書方式で場合には、非継続事業に関連するものとして識別された区分はその分離した損益計算書に表示されます。(IFRS5.33A)

また、企業は、財務諸表に表示された過年度に係る上記の開示内容を再表示し、当該開示が、直近に表示された期間について、報告期間末日までに非継続となったすべての事業と関連するようにしなければなりません。(IFRS5.34)

 

なお、非継続事業の定義を満たさない、売却目的保有として分類される非流動資産(又は処分グループ)の再測定による利得又は損失は、継続事業からの純損益に含めなければならなりません。(IFRS5.37)

 

<過去の非継続事業に関する開示の修正>

 過去に非継続事業に表示された金額を当期に修正する場合で、過年度の非継続事業の処分に直接関連したものである場合には、その修正額は非継続事業として別に分類しなければなりません。そして、当該修正に関する、性質及び金額を開示しなければなりません。

 

このような修正が生じ得る状況の例として、次のようなものがあります。(IFRS5.35)

 ・購入価格調整の決着や買手との補償問題の決着など、処分取引の条件により生じる不確実性の解消

 ・売手が抱えていた、環境閔連債務や製品保証債務などの、処分前の企業の構成単位の事業から生じ、かつ事業に直接関連した不確実性の解消

 ・処分取引に直接関連した、従業員給付債務の清算

 

<売却目的保有への分類を中止した場合の開示>

企業が、企業の構成単位を売却目的保有に分類することを中止した場合、それまでに従って非継続事業に表示していた当該構成単位の経営成績は、表示するすべての期間について再分類して継続事業からの利益に含めなければなりません。過年度の金額は、修正再表示したものとして記載しなければなりません。(IFRS5.36)

 

<子会社への支配の喪失を伴う売却>

子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約している企業は、その子会社が非継続事業の定義を満たす処分グループである場合には、上記で要求されている情報を開示しなければならなりません。(IFRS5.36A)

13.表示及び開示 −売却目的保有に分類された非流動資産または処分グループ−

企業は、売却目的保有に分類した非流動資産及び売却目的保有に分類した処分グループに含まれる資産を、財政状態計算書上他の資産と区分して表示しなければなりません。売却目的保有に分類された処分グループに含まれる負債は、財政状態計算書上、他の負債と区分して表示しなければなりません。

これらの資産及び負債を相殺して単一の金額として表示してはいけません。

 

売却目的保有に分類された主要な資産及び負債の種類は、財政状態計算書又は注記において区分して開示しなければなりません。ただし、処分グループが、取得時に売却目的保有として分類される要件を満たす新規に取得した子会社である場合には、主要な種類別の資産及び負債の開示は必要ありません。

また、売却目的保有として分類した非流動資産(又は処分グループ)に関連してその他の包括利益で認識された収益又は費用の累積額を区分して表示しなければなりません。(IFRS5.38、39)

 

なお、企業は、直近で表示された期間の財政状態計算書の分類を反映するために.過年度の財政状態計算書で売却目的保有として分類した非流動資産又は処分グループの資産及び負債として表示した金額を、再分類又は修正再表示してはなりません。(IFRS5.40)

 

<追加的な開示>

企業は、非流動資産(又は処分グループ)が売却されたか又は売却目的保有に分類された期間における財務諸表の注記に、次の情報を開示しなければなりません。(IFRS5.41)

 @ 非流動資産(又は処分グループ)の説明

 A 売却又は処分予定に至った事実及び状況、並びに当該処分の予想される方法及び時期の説明

 B 売却費用控除後の公正価値で非流動資産(又は処分グループ)を測定したことにより認識した損益(減損損失又は戻入れ)、及び、包括利益計算書で区分表示していない場合には、当該損益を含む包括利益計算書の表示科目

 C 該当がある場合、当該非流動資産(又は処分グループ)が、IFRS第8号「事業セグメント」に基づいて表示される報告セグメント

 

また、売却計画の変更が行われた場合には、企業は、その非流動資産(又は処分グループ)の売却計画を変更する決定が行われた期間において、当該決定に至った事実及び状況の説明、並びに、当該決定が当該期間及び表示されている過年度の経営成績に与える影響を開示しなければなりません。(IFRS5.42)

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