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IAS第19号「従業員給付」(解雇給付)

(平成22年12月31日現在)

34.解雇給付(定義)

「解雇給付(termination benefits)」とは、次のいずれかの結果として支払うべき従業員給付をいいます。

通常の退職日前に従業員の雇用を終了するという企業の決定
当該給付を見返りに自発的退職を受け入れるという従業員の決定

 

IAS第19号では、解雇給付を他の従業員給付とは別個に取り扱っています。債務を生じさせる事象が従業員の勤務ではなく、解雇だからです(IAS19.132)。

 

従業員給付の中には、従業員の退職理由とは無関係に支払われるものがあります。当該給付の支払は確実です(権利の確定又は最低勤務の要件を条件とする)が、その支払時期は不確実です。当該給付は、ある国では離職補償又は退職慰労金と表現されるが、それらは解雇給付ではなく退職後給付に該当します。そして、企業はそれらを退職後給付として会計処理しなければなりません。

企業によっては、従業員の要求による自発的な退職の給付(実質的に退職後給付)を、企業の要求による自発的ではない退職の場合よりも低い水準により支給する。この自発的でない退職により支払うべき追加的給付は、解雇給付に該当します。(IAS19.136)

35.解雇給付(認識)

企業は、次のいずれかを明白に確約している(commit)場合に、解雇給付を負債及び費用として認識しなければなりません(IAS19.133)。

従業員又は従業員グループの雇用を通常の退職日前に終了すること
自発的退職を勧奨するために行った募集の結果として解雇給付を支給すること

 

解雇することを確約している(commit)とは、企業が解雇の詳細で正式な計画を有し、撤回する現実的な可能性を有しない場合をいいます(IAS19.134)。

詳細な計画には、少なくとも次の内容を含めなければなりません。

 

その勤務を終了させるべき従業員の所在、職能及び概数
それぞれの職務分類又は職能別の解雇給付
計画を実施する時期(導入はできる限り早期に始めなければならず、実施完了までの期間は計画の重要な変更が見込まれない程度のものでなければなりません)

 

解雇給付は企業に将来の経済的便益をもたらさないため、直ちに費用として認識されます(IAS19.137)。また、企業が解雇給付を認識する場合には、退職給付又は他の従業員給付の縮小に関する会計処理も行わなければならないことがあります(IAS19.5138)。

36.解雇給付(測定)

報告期聞から12か月よりも後に解雇給付の期日が到来する場合には、当該給付は退職後給付と同様の考え方に基づく割引率(IAS19. 78)を使用して割り引かなければなりません。(IAS19.139) なお、自発的退職を勧奨するために申し出を行った場合には、解雇給付の測定は、当該申し出を受け入れると予想される従業員数を基礎にしなければなりません。(IAS19.140)

37.解雇給付(開示)

解雇給付の申し出を受け入れる従業員数に関して不確実性がある場合には、偶発負債が存在することになるため、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」による要求によって、決済における流出の可能性がごくわずかな場合を除き、企業は偶発負債に関する情報を開示する(IAS19.141)。

 

IAS第1号で要求されているように、企業は、重要であれば、費用の内容と金額を開示しなければなりません。解雇給付は、この定めに従うための開示を必要とする費用を生じさせる場合かあります(IAS19.142)。

 

IAS第24号「関連当事者についての開示」で要求されている場合には、企業は、経営幹部への解雇給付に関する情報を開示しなければなりません(IAS19.143)。

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