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IAS第19号「従業員給付」(退職後給付 7/9)

(平成22年12月31日現在)

24.確定給付制度(制度資産の評価)

制度資産(plan assets)」とは、次のものから構成されます。(IAS19.7)

・長期の従業員給付基金が保有している資産

・適格な保険証券

 

適格な保険証券(a qualifying insurance policy)」とは、報告企業の関連当事者(IAS第24号「関連当事者についての開示」で定義)ではない保険会社の発行した保険証券で、当該保険証券の保険金が次に該当するものをいいます。

(a) 確定給付制度による従業員給付の支払い又は積立てのためだけに使用でき、かつ
(b) 報告企業自信の債権者には(破産の場合であっても)利用できず、かつ、次のいずれかの場合を除いて報告企業に支払われないもの

当該保険金が、関連する従業員給付債務のすべてを支払うのには必要ない剰余資産を表している場合
当該保険金が、報告企業がすでに支払った従業員給付の補填のために報告企業に返還される場合

 

制度資産は、公正価値で測定しなければなりません。

市場価格を入手できるときは、市場価格で評価し、市場価格を入手できないときには、例えば、制度資産に関連するリスク及び当該資産の満期日又は予想される処分日(満期日のない場合には、関連する債務の決済までの予想される期間)の双方を反映した割引率を使用して、予想される将来のキャッシュ・フローを割り引くことによって制度資産の公正価値を見積ることによって評価します。(IAS19.102)

 

制度資産には、報告企業が発行し基金が保有する非譲渡性金融商品とともに、当該企業からの未収掛金を含めません。

一方、従業員給付に関連しない基金の負債、例えば買掛金やその他の未払金、デリバティブ金融商品に起因する負債は、制度資産から減額される。(IAS19.103)

 

制度資産に制度の下で支払うべき給付の一部又は全部について金額と時期が完全に一致した適格な保険証券を含む場合には、当該保険証券の公正価値は、関連する債務の現在価値とみなされます(保険証券に基づいて回収可能な金額が、完全には回収できない場合には、減額が求められるという制約がある)(IAS19.104)。  

25.確定給付制度(補填)

他の当事者が確定給付制度債務の決済のために必要とされる一部又はすべての支出を補填するであろうことがほぼ確実である場合に、かつ、その場合にのみ、企業は別個の資産として補填の権利を認識し、当該資産を公正価値で測定しなければなりません。

その他のすべての面においては、当該資産を制度資産と同様に扱わなければならず、包括利益計算書において. 確定給付制度に関連する費用は、補填について認識された金額と相殺して表示することができます。(IAS19.104A)

 

企業は、確定給付制度債務の決済のために必要とされる支出の一部又は全部の支払を他の当事者、例えば保険会社に期待することができる場合があります。当該保険証券が、適格保険証券の場合、制度資産に該当するため、制度資産の処理に従い会計処理します。一方、当該保険料県が、適格保険証券でない場合、当該資産は制度資産ではないため、上記補填の処理に従い、確定給付負債を算定する際の控除としてではなく、別個の資産として認識します。(IAS19.104B,104C)

 

なお、確定給付制度の下で支払うべき給付の一部又は全部について金額と時期が完全に一致した保険証券に基づいて補填の権利が生ずる場合、当該補填の公正価値は関連する債務の現在価値とみなされます(IAS19.104D)。

26.確定給付制度(制度資産の収益)

制度資産の収益(return on plan assets)」とは、制度資産からの利息、配当、および制度資産にかかる実現および未実現の利得または損失を含めたその他の収益から、制度の管理費用(確定給付制度債務の測定に使用されている数理計算上の仮定に含まれているものを除く)及び当該制度自体が支払うべき税金をすべて控除したものをいい、このうち期首における関連する債務の全期間にわたる収益に対する市場の予想に基づいたものを「制度資産の期待収益(expected return on plan assets)」といいます。(IAS19.7,106)

 

制度資産の期待収益は、純損益に認識される内訳項目の1つです。

制度資産の期待収益と制度資産の実際収益との差異は、数理計算上の差異となり、回廊アプローチを採用した場合の回廊の限度枠と比較する純額を決定する際に、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異とともに含められます(IAS19.105)。

制度資産に係る期待収益には、基金への実際の掛金の支払及び基金からの実際の給付の支払の結果として生じる、期中に保有する制度資産の公正価値の変動を反映させます(IAS19.106)。

制度資産に係る期待収益及び実際収益の算定にあたり、企業は、債務の測定に使用した数理計算上の仮定に含めたもの以外の、予想される管理費用を控除します(IAS19.107)。

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