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IAS第19号「従業員給付」(退職後給付 1/9)

(平成22年12月31日現在)

9.退職後給付(定義)

退職後給付(post-employment benefits)」とは、雇用関係の終了後に支払われる従業員給付(解雇給付を除く)をいい、例えば次に掲げるような項目があります(IAS19.7,24)。

 

・年金等の退職給付

・退職後生命保険及び退職後医療給付のようなその他の退職後給付

 

企業が1名以上の従業員に対し退職後給付を支給する正式又は非公式の取決めが、退職後給付制度(post-employment benefit plans)です(IAS19.7)。掛金額を受け取り、給付を支払うための別個の事業体の設立を伴うか否かにかかわらず、企業はこのような退職後給付制度のすべてに本基準を適用しなければなりません。

 

退職後給付制度は、その主要な規約や条件に由来する制度の経済的実質により、「確定拠出制度(defined contribution plans)」又は「確定給付制度(defined benefit plans)」のいずれかに分類されます。(IAS19.25)

10.確定拠出制度と確定給付制度の区分 −確定拠出制度の定義−

確定拠出制度(defined contribution plans)」とは、退職後給付制度のうち、企業が一定の掛金を別個の事業体(基金)に支払い、たとえ基金が従業員の当期および過去の期間の勤務に関連するすべての従業員給付を支払うために十分な資産を保有しない場合でも、企業がさらに掛金を支払うべき法的債務または推定的債務を有しないものをいいます(IAS19.7)。

 

確定拠出制度の下では、企業の法的債務又は推定的債務は、企業が基金に拠出をすることに同意した金額に限定されます。したがって、従業員が受け取る退職後給付の金額は、企業(及び場合によっては従業員)が退職後給付制度又は保険会社に支払った掛金額と、当該掛金から発生する投資収益とによって決定され、(給付が予想したよりも少なくなるといという)数理計算上のリスク及び(投資された資産が予想した給付を満たすのに不十分であるという)投資リスクは、従業員が負担することになります。(IAS19.25)

 

下記のような場合、企業の債務が、基金に拠出をすることに同意した金額に限定されず、企業が法的債務または推定的債務を有することになるため注意が必要です(IAS19.26)。

単に掛金額に連動するだけではない制度給付算定式
制度を通じての間接または直接のいずれかによる、拠出への特定の収益率の保証

推定的債務を生じさせる非公式の慣行

(例えば、企業にそのようにする法的債務がなくとも、インフレーションの進行に合わせて前従業員の給付を増加させてきた実績がある場合には、推定的債務が生じることがあります)

 

 

11.確定拠出制度と確定給付制度の区分 −確定給付制度の定義−

確定給付制度(defined benefit plans)」とは、確定拠出制度以外の退職後給付制度をいいます(IAS19.7)。

 

確定給付制度の下では、企業の債務は、合意した給付を現在の及び前従業員に支給することであり、(給付が予想よりも多くのコストを要するという)数理計算上のリスク及び投資リスクは実質的に企業が負担します。数理計算上又は投資の実績が予想より悪い場合には、企業の債務は増加することになります(IAS19.27)。

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