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Q1.ストック・オプション導入のメリット・デメリットを教えてください。

Answer.1

ストック・オプション導入による発行者・付与対象者それぞれの立場ごとのメリット・デメリットを整理すると下記の通りとなります。

メリットばかりではないため、導入に際しては、メリット・デメリットを比較考慮しながら慎重に検討する必要があります。

 

 発行会社付与対象者

  • 役員・従業員への成果主義報酬
  • 役職員における経営参画意識および株主価値・企業価値向上への意識の明確化
  • 優秀な人材の確保、人材流出の防止
  • 現金賞与と比較して、キャッシュを節約
  • 会社への貢献が株価に反映し、株価が自己の報酬を決定するため、自己の業績が正当に評価される
  • 現金賞与と比較して、所得に対する税率が低くなる可能性がある
  • 直接株式を取得する場合と比較して、株価の値下がりリスクが低い

  • 市況などの影響で株価が上昇しない経済環境の場合、導入効果は得られない可能性がある
  • 付与対象基準が不明確な場合、役職員間の不公平感によるモラール低下の発生
  • IPOが目的化してしまい、IPO後の成長戦略がおろそかになる可能性がある
  • 既存株主の持分比率の希薄化の可能性がある
  • 企業業績や成長性以外の要因による株価変動が起こりうるため、報酬が成果以外要因に影響されてしまう

Q2.ストック・オプションと現金賞与による効果の違いを教えてください。

Answer.2

ストック・オプションと現金賞与との効果の違いは、具体的事例で見てみるとわかりやすいと思います。

下記、事例をご覧ください。

 

株式公開後

ストック・オプション vs 現金賞与

 

会社側

付与対象者側 〜役員〜

 

Q3.税制適格ストック・オプションはどのようなメリットがあるのでしょうか?

Answer.3

ストック・オプションの課税関係は、原則として(いわゆる税制非適格の場合)、権利行使時に含み益に対して給与所得として総合課税されます。含み益への課税のため、キャッシュインなき課税であるばかりか、最高税率50%(所得税40%、住民税10%、ただし課税総所得金額が1,800万超の場合)が課税される可能性があります。

一方、税制適格要件を満たす場合、権利行使時の含み益は課税されず、取得株式の譲渡時に譲渡所得課税として一括課税されます。譲渡時に課税されるため、納税の源泉となるキャッシュを確保することが容易で、また申告分離課税として税率は「上場株式の場合は10%(所得税7%、住民税3%)」「非上場株式の場合は20%(所得税15%、住民税5%)」が適用されます。このため、税制適格ストック・オプションは非適格の場合の課税に比べて大幅に税負担が軽くなる可能性があります。

このように、税制適格ストック・オプションは税制非適格ストック・オプションに比べて税務上有利に働く一方、年間権利行使価額1,200万円以内や大口株主には適用できない等の厳しい要件を満たす必要があります。 ただし、狭義の新株予約権を導入することにより、税制非適格ストック・オプションでも税制適格の恩恵を一部享受するように組成することもできます。

Q4.ストック・オプションで留意すべき事項について教えてください。

Answer.4

導入環境に応じて最適なストック・オプションは異なります。そのため、導入に際しては専門家への相談をお勧めいたします。

例えば、下記のような失敗事例があります。

 

―失敗事例―

CASE1
CASE2

ITサービス会社であるA社は、ベンチャーキャピタルから資金調達を行ったタイミングでストックオプションを導入。付与対象者はオーナー経営者を含めた役員および部長クラス以上の従業員とした。ストックオプションは税務上優遇される“税制適格ストックオプション”として設計。しかし、オーナー経営者は発行済株式の5 0%程度を所有しており、税制適格要件を満たしていなかった。そのため、原則方式である税制非適格ストックオプションにて導入を行った。

 

食品卸・加工業を営むB社は、オーナー経営者の事業承継対策も踏まえて、IPOを目指していた。そしてIPOの恩恵を広く与えるため、役員だけでなく従業員にも幅広くストックオプションを付与することにした。IPOまでの目標期間は3年〜4年と設定したが、IPOはそのときの経済環境の影響を強く受ける。そのため、ストックオプションの権利行使期間はI P Oまでの目標期間よりも長めの7年とした(税制適格要件を満たすため、付与日から2年経過後の権利行使期間を5年と定め、計7年で設計)。


6年後、A社は予定通り新興市場へ上場。オーナー経営者はストックオプションの権利を行使し自社の株式を取得。3億円ものキャピタルゲイン(含み益)を得た。しかし、税制適格の優遇は受けられないため、累進課税による最高税率(50%)での課税がなされた。その納税資金を確保するため、やむなく取得株式の一部を売却する結果に。

7年という余裕のある期間で設計したため、役員・従業員のI P Oに対する意欲が薄れることに。結果、上場審査のための体制整備などが目標よりも大幅に遅れ、IPOのメドすら立たない状態となってしまった。

 

 

 

 

A社は税制適格要件を満たさない場合には、税制非適格のみしかストックオプションを設計できないと認識していた。そのため、税制非適格によるストックオプションをオーナー経営者に対して発行してしまった。

 

「有償の新株予約権」として発行すれば、税制適格ストックオプションと同様の節税メリットを享受できる。たとえば、権利行使時の含み益に対する課税の繰延べや譲渡所得課税の適用など。有償の新株予約権の場合、発行時にオプションプレミアムを支払う必要があるものの、役員報酬の改定や行使条件の組み合わせ次第ではプレミアムの実質負担を軽くできる。

ストックオプションは基本的に株価のみに報酬が連動するようになっている。そのため株価のみが意識され、I P Oまでの「スピード」は意識されない。そして、スピードに対するインセンティブ効果が薄れることで、IPOという目標が達成されない可能性がある。

付与数連動型やムービングストライク型(権利行使修正条項付)のストックオプションを導入することにより、役員・従業員の成果を株価だけでなくI P Oまでのスピードにも連動させるように設計できる。これにより、スピードにもインセンティブを働かせることが可能となる。

Q5.ブラック・ショールズモデルで評価できない場合はどのような場合でしょうか?

Answer.5

ブラック・ショールズモデルはオプション・プレミアムを確率微分方程式によって算出する手法です。ブラック・ショールズ式の導出過程は極めて複雑ですが、計算式自体は単純なので、パラメータが決まればExcelなどで簡単に計算でき、実務上も広く利用されています。しかし、ブラック・ショールズモデルは解析的モデルのため、権利行使期間の途中での権利行使や条件変動などへの対応は難しく、複雑なオプションの場合、ブラック・ショールズモデルでは評価できません。

このように権利行使期間の途中で権利行使できるタイプのオプション(アメリカン・タイプ)や権利行使期間の途中で条件が変動するタイプ、その他追加の制約条件がある複雑なオプションの場合、格子モデル(二項モデル等)やモンテカルロ・シミュレーションにより評価を行うのが一般的です。

Q6.未公開企業でストック・オプション導入を考えています。未公開企業の場合のストック・オプションの設計ではどのような点に留意すべきでしょうか?

Answer.6

ストック・オプションによるインセンティブ効果が期待できるのは、一定の価格で購入した株式を付与対象者が自由なタイミングで公正な価格(納得できる価格)により売却できるからです。未公開企業の場合、株式を一定の価格(権利行使価格)で購入できたとしても、公正な価格による売却機会は確保されていないのが通常です。これではストック・オプションを無償で付与されたとしても企業価値・株主価値を上げようとするインセンティブは働きません。

そのため、未公開企業の場合、売却機会の確保と売却価格・権利行使価格の公正な評価に留意して設計する必要があります。

当社では、未公開企業におけるストック・オプションの組成におていも、充分にインセンティブが確保できるようなプランニングを提案しております。

Q7.将来上場を目指しており、上場へのインセンティブ目的でストック・オプションの導入を考えています。何か気をつけることはありますか?

Answer.7

上場準備会社が発行する新株予約権については、その発行時期などにより取引所の内部規制に抵触する可能性があるので注意が必要です。

例えば東京証券取引所の場合、制限期間(株式上場予定日の直前決算期日の1年前の翌日から株式上場日の前日までの期間)において第三者割当増資等を行った場合、取得者は株式上場後6か月(取得してから1年を経過していない場合には1年を経過するまで)は継続して所有する義務を負います(ただし、継続所有期間の特例あり)。また、制限期間において第三者割当の新株予約権を発行した場合には、株式上場申請書類において権利行使価額、およびその権利行使価額の算定根拠等を開示する必要もありますし、特別利害関係者等が開示対象期間(株式上場申請日の直前決算期日の2年前の日の翌日から株式上場日の前日までの間)に株式等を譲り受け、または譲渡している場合には株式上場申請書類において当該株式等の内容を開示する必要があります。

そのため、上場準備会社の場合、上場スケジュールと照らし合わせて取引所の内部規則を遵守しながら発行する必要があります。

当社では、公認会計士によるIPOコンサルティングと合わせて、ストック・オプションの導入支援を行っております。

Q8.カスタマズ・サービスも可能とのことですが、例えばどのような事例があるのでしょうか?

Answer.8

当社はお客様のニーズに応じたコンサルティングサービスを提供していいます。例えば下記のようなニーズがあります。

  • プレーンな税制適格ストック・オプションの導入を予定しており、複雑な条件設定は予定してないため、税制適格要件の充足を中心とした低コストのコンサルティングサービスを提供してほしい。
  • 第三者機関としてのストック・オプションの評価報告書のみを提供してほしい。
  • 当社は大口株主への付与や、年間権利行使価額も1,200万円超を予定しているため、税制適格要件を充足できない。そのため、税制適格外での税金負担やコスト負担を抑えたスキームを提案してほしい。
  • 当社はプライベード・エクイティ・ファンドのため、投資先のExit戦略と連動するようなインセンティブ・プランの提案をしてほしい。
  • 当社は上場準備会社であるが当初の上場計画より大幅に遅れている。そのため、大株主である社長以外の経営陣が短期間で上場を目指すインセンティブが働くような株価のみならず時間軸にも連動するインセンティブ・プランを提案してほしい。
  • 当社は未公開会社であり、今後も上場は考えていない。そのため、未公開会社においても付与対象者が株主価値向上へとインセンティブが働くような未公開会社に合ったインセンティブ・プランを提供してほしい。

Q9.評価レポートをストック・オプションの発行の都度入手することはできますか?

Answer.9

発行総額や条件を株主総会で決議し、定期的に取締役会の決議でストック・オプションを発行する場合がありますが、このような場合でも発行の都度、評価を行う必要があります。条件等が同じであれば、低コストで毎年評価レポートのみを提供することも可能です。

Q.10.資本政策目的や事業承継目的に係る新株予約権を設計・評価サービスは行っていますか?

Answer.10

新株予約権はインセンティブ目的のストック・オプション以外にも様々な目的に使用することができます。

例えば、ベンチャーキャピタル等を引受先とする増資に際して、経営陣の議決権割合の低下を防ぎたい場合(資本政策目的)や将来の事業承継時の莫大な相続税を事前に回避する目的(事業承継目的)で新株予約権スキームを使用する場合があります。 この場合、通常税制適格の1,200万円以下とはならないため、新株予約権(狭義)を時価発行(場合によってはエキゾチック・オプション)することが考えられます。

当社では、ストック・オプション以外にも上記のような資本政策目的や事業承継目的のスキーム組成も行っておりますのでお気軽にご相談ください。


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