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ストック・オプション会計基準 -条件変更-

現在、こちらのアーカイブ情報は過去の情報となっております。取扱いにはくれぐれもご注意ください。

5.条件変更の会計処理

付与されたストック・オプションに関して、当初の条件を、事後的に変更する場合があります。このような条件変更の態様として様々なものが想定されますが、ストック・オプション会計基準では、「ストック・オプションの公正な評価単価を変動させる条件変更」「ストック・オプション数を変動させる条件変更」「費用の合理的な計上期間を変動させる条件変更」の3パターンに分けて整理しています。

 

<ストック・オプションの公正な評価単価を変動させる条件変更>

公正な評価単価を変動させる条件変更の例としては、ストック・オプションの付与後に株価の著しい下落が生じ、権利行使される可能性が減少することにより、当初期待していたインセンティブ効果が大幅に失われたため、これを回復する目的で行使価格を引き上げる場合があります。条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価が、付与日における公正な評価単価を上回る場合と下回る場合とで、処理は異なります。

 

■条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価が、付与日における公正な評価単価を上回る場合

条件変更前から行われてきた、付与日におけるストック・オプションの公正な評価単価に基づく公正な評価額による費用計上を継続して行うことに加え、条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価が付与日における公正な評価単価を上回る部分に見合う、ストック・オプションの公正な評価額の増加額につき、以後追加的に費用計上します。

 

■条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価が、付与日における公正な評価単価以下となる場合

条件変更日以後においても、条件変更前から行われてきた、ストック・オプションの付与日における公正な評価単価に基づく公正な評価額による費用計上を継続します。

なお、新たな条件のストック・オプションの付与と引換えに、当初付与したストック・オプションを取り消す場合には、実質的に当初付与したストック・オプションの条件変更と同じ経済的実態を有すると考えられる限り、ストック・オプションの条件変更とみなして会計処理します。

 

<ストック・オプション数を変動させる条件変更>

勤務条件や業績条件等の権利確定条件を変更した場合には、一般にストック・オプション数が変動します。このような場合、条件変更前から行われてきた費用計上を継続して行うことに加え、条件変更によるストック・オプション数の変更に見合う、ストック・オプションの公正な評価額の変動額を、以後、合理的な方法に基づき、残存期間にわたって計上します。

 

<費用の合理的な計上期間を変動させる条件変更>

ストック・オプションにつき、対象勤務期間の延長または短縮に結びつく勤務条件の変更等により、費用の合理的な計上期間を変動させた場合には、当該条件変更前の残存期間に計上すると見込んでいた金額を、以後、合理的な方法に基づき、新たな残存期間にわたって費用計上します。

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